◎2月26日(水)~3月11日(火) ※最終日は午後6時終了
◎8階 ステージ8
今年の“担当者 南が行く南九州”は非日常を感じ、人や物の繋がりを感じられる徳之島。徳之島で出会ったアパレルブランド「MIHARUKA」は、徳之島のパッションフルーツを使用し染色していきます。徳之島素材でできるアパレルを通して、非日常や繋がりを体感してみませんか。
「MIHARUKA」
ブランドデザイナーの美晴さんにお話をお聞きすることができました!
Q.美晴さんのブランドについて教えてください!
「MIHARUKA」の商品は、母のルーツである徳之島の素材から染料を作り、一点一点染め上げ、父の故郷である岡山県のデニムをベースに、自身が出会い繋がった民族的な生地をアクセントにした服を作り上げています。そんなストーリーを身につけていただく方と共有し、ワクワクと笑顔になっていただくことで、内面から美しく格好よく映る姿が自信に繋がり、褒められる服をお届けしています。
Q.いま、どのような活動をされていますか。
岡山デニム×民族的な生地×徳之島の染物を掛け合わせたアパレルブランドを展開しています。
Q.活動・事業をはじめたきっかけ、この道に進もうと決められたきっかけ。
マレーシアに住んでいた時があります。マレーシアは、他民族国家で文化も街も民族衣装も多種多様でした。そして、カラフルだと感じることが多かったです。その中でも、マレーシアの伝統工芸の一つであるバティック生地(ろうけつ染め)がカッコよく、素敵でした。この生地を使ってモノづくりがしたいと思い、ファッションの道へ進みました。
Q.活動をする中でのおもしろいと感じること・やりがい・楽しみは何ですか。
生地を活かすデザインを生み出す過程は大変ですが、試行錯誤をした先に出来上がった服は、1着1着が輝いて見え、心からワクワクさせてくれます。また、徳之島の素材を原料に染色をしていますが、毎回染め上がりが変わります。こちらも、染める度に『今回はどうなるかな?』と思いながら染め上げる工程が楽しいです。
その商品たちをお客様が手に取り、試着されている様子を見聞きしている時間が楽しみです。そして購入をしてくださった方から『褒められた、素敵って言ってもらえる、どこのブランド?と声をかけられる』と感想をいただくことが多く、やりがいに繋がっています。
Q.あなたのクリエーションや活動の原動力・元気の源は何ですか。
かっこいい、かわいいと思える生地をより魅力的に見せるためにはどの様に活かすのがいいか、と考えることが原動力です。そして、着用をしてくださった方が内面からキラキラと輝いて見える瞬間があります。その時に服作りをしていて良かったと思えます。
Q.今後、取り組んでみたいこと、広げていきたいことはありますか。
徳之島の素材から原料を作り、ろうけつ染めを施した生地を生み出し、服を仕立てたいです。ろうけつ染めの原料までは作れていますが、脱蝋がまだうまくできてない状態なので、もう少し試作が必要な状態です。
Q.徳之島をフィールドに活動されている理由があれば教えてください。
祖母の故郷が徳之島でした。イタリアに住んでいた際、たまたま出会った方が徳之島出身で、その時に初めて祖母が徳之島の人だと知りました。自身のブランドの拠点をどこに構えるかを考えていたタイミングだったこともあり、これも縁だと思って徳之島で活動したいと思いました。
Q.この地域だから、この地域とともにやってみたいことはありますか。
自然が豊かなこともあり、原料になる素材がたくさん眠っているのではないかと思っています。使える素材を発掘しながら、新たな商品になる素材を見つけていきたいです。
Q.九州の好きなところ、もしくは地域・業界の課題と思っているところ。
業界の課題として、国内の縫製職人の数が減っています。縫製の技術は1日や2日で身につくものではなく、時間と根気強さが必要です。少しでも服作りをしたいと思っていただける方を増やし、職人の担い手を増やしたいと思っています。
また、現在の徳之島では、仕事として服作りに関われる場所がほとんどありません。徳之島でもこの業界に関われる企業へと成長させていきたいです。
Q.今後、地域・業界のためにどういう未来を描いていらっしゃいますか?
縫製や染色を学べる学校を作り、この地から職人を目指すきっかけを作り出したいです。徳之島での学びがきっかけとなり、国内外に出て知識、技術をより高めたのち、地元に帰り活躍してくれる方が生まれれば、MIHARUKAとしても役に立てた形になるのかなと思っています。
Q.徳之島の魅力。
完成しきっていない凸凹している部分が魅力だと思います。整備され便利になると住みやすくはなりますが、自然と人が融合しきっていないからこそ生まれるアンバランスさが思考力を止めず、人間らしくいられるのだと思います。
また、いい意味でのんびりしているので、モノづくりをするにはゆっくり考えられるところも魅力です。ただ、モノづくりをすると周りが見えなくなるので、アマミノクロウサギなどの動物に会いに行き、リフレッシュするようにしています。気軽にそういったことができるのも、徳之島ならではです。
Q.徳之島のおすすめスポット。
天城町にある前野展望台とムシロ瀬です。前野展望台は、夕日と共に飛行機の離発着、船などを見ることができます。夜は、町の夜景とともにアマミノクロウサギの鳴き声を聞くことができます。
ムシロ瀬は、6千年以上前にでき、鹿児島県でも古い時期の花崗岩と言われています。ダイナミックな大きな石と共に海を眺めることができます。遊歩道を歩くだけでなく、岩を登って歩くいたり、海や空、大きな岩をのんびりと眺めたりすることもおすすめです。
Q.徳之島への移住きっかけ。
『徳之島をフィールドに活動している理由』がきっかけですが、徳之島には一度も来たことがなかったので、帰国後に下見に来ました。その時に見たムシロ瀬で、『自身の服をモデルさんに着てもらい、ここで撮影がしたい!』と思い、最終的に来ることを決めました。その時は、海が荒れ曇り空でしたが、景色と服との融合が最高にかっこいい!と直感的に感じたことで、決断しました。
Q.「MIHARUKA」のここを見て欲しいや、感じてほしいところ、教えてください!
徳之島でしか生み出せないもの、私にしか生み出せないものを探り辿り着いたものが、自身のルーツと繋がりを掛け合わせたデザインでした。服を1着作り上げるには、デザイナー、生地、縫製職人など、様々な分野のスペシャリストが想いを持って作り上げています。“服を長く着ていただきたい”。その思いを実現するため、1着を生み出すためのストーリーや想いを服を通してお客様へお伝えし、長く愛されながら経年変化を楽しめる服をお届けする世界を目指しています。
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