英国のクリスマス~ロンドンのクリスマス・ディスプレイを巡る楽しみ~

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。
12月は”英国のクリスマス”について、
英国バッキンガムシャー在住の英国政府公認ブルーバッチ観光ガイド木島・タイヴァース・由美子さんに取材していただきました。
ロンドンのクリスマス・ディスプレイやマーケット、木島さんがお住まいの英国 バッキンガムシャーでのクリスマスの過ごし方の様子を伝えていただきます。


それでは、木島さんの英国ライフ・コラムをお楽しみください!


例年クリスマスには一年に一度家族みんなで集まって過ごすのが恒例ですが、今年のクリスマスは初めて愛犬を含む家族3人のクリスマスになりそうです。
息子家族はお嫁さんの実家のあるアメリカで過ごし、娘夫婦は一年ポルトガルで生活することになり近日中に出発です。

そんな私たちを気のどくに思ったようで、仲良しの友人夫婦が誘ってくれました。
でも今年は静かなクリスマスを経験するのもいいかな?と思い、現在思案中といったところです。

Q:英国ではクリスマス当日やイブ以外にも、クリスマスに関して行われている習慣があったりしますか?

木島さん:ありますよ!まず、職場のクリスマス・パーティです。
これはオフィスで簡単なカナッペと飲み物といったものから、レストラン(場合によっては高級ホテルの豪華クリスマス料理)までいろいろです。
レストランでは、クリスマスのスペシャルメニューがあります。
街でよく見かけるのは、ランチどきに近くのレストランでコース料理をみんなでいただくものです。
費用はたいていは会社が出してくれるようです。(大企業の場合はそういった習慣は少ないかも知れません。)
私は、子供が小さかった時は毎年クラスの気の合うお母さんたちと集まってクリスマス・ランチをしていました。

写真上)リージェント・ストリートのクリスマスライト
リージェント・ストリートのクリスマスライトは冬の夜空をまるで天使が舞っているようです。
写真下)カーナビー・ストリートのクリスマスライト
世界の難民を助けるチャリティ団体と共同で作り上げたカーナビー・ストリートのディスプレイ。

「カーナビ―の万華鏡」と名付けられ、空に舞う600の蝶が"復活、希望"といったメッセージを送っています。

さて、先日ロンドンのクリスマス・ディスプレイの様子が気になって行ってきました。11月半ばでしたが、すでにクリスマスムードが漂っていました。昨年はパンデミックで人通りも少なかった商店街も、今年はすでに親しい人へのプレゼントを買い始めたようで、通りもお店も賑やかでした。商店街と言えばクリスマスライトです。


Q:ロンドンのクリスマスディスプレイを巡る楽しみって、どんな期待をして見に行くものなのでしょうか?
木島さん:昔は、お店のディスプレイを見るためにロンドンに来たひともいましたが、今ではロンドン以外でも見られるので、そのためにわざわざ来る人もあまりいないかな、と思います。でも、ウィンドウディスプレイを見ることはショッピングの際の楽しみでもあり、お店やデパートでは競って目立つディスプレイを公開しています。高級なデパートであればお金もかけて大規模です。素敵なディスプレイにつられてお店に入る人も多いと思いますよ。ストリートに飾られるクリスマスライトは、そのためのツアーもありロンドン中の有名なクリスマスライトをバスで周るようです。

リバティのデパート内では、大きな気球が吹き抜けの空間に溢れんばかりのプレゼントの入ったバスケットをぶら下げて浮かんでいました。

この気球は毎年色や模様が変わるようです。

写真上)高級食料品店のフォートナム&メイソンは建物全体がクリスマスライトで飾られています。

写真下)ウィンドウはどれも、クリスマスのパーティムードを引き立てるディスプレイが目を惹きます。

今年は家族3人だけのクリスマスで、静かにすごそうかな?
と思っていたのですが、開けられたばかりのシャンペーンボトルを見ていると、思いっきりパーティの雰囲気で過ごすのもいいかな?と思い始めました。


写真上)クリスマス・マーケットはドイツが本場ですがイギリスでも各地で行われていて、クリスマスのプレゼントを探しに来る人、
クリスマスが待ちきれなくて繰り出す人たちが笑みを浮かべながら楽しそうです。
クリスマスマーケットは、場所によって開催する期間が違いますが、通常は11月半ばから12月24日まで開かれますが、たまに1月に入っても続くところがあります。

写真下)ロンドンのクリスマスマーケットは、ヨーロッパからの出店者も多く見かけます。
こちらのお店はドイツから毎年やってくるお店。
たくさんのクリスマスキャンドルがきらびやかに光り輝いていました。


Q:ロンドンのクリスマスマーケットには、食べ物もありましたか?

木島さん:食べ物はかなりあります。
ロンドンのクリスマスマーケットは、異国のもの、ストリートフードが多かったです。
英国らしい飲食物はマルドワインですが、こちらはどこのクリスマスマーケットでもよく見かけます。
その他の食べ物はチキンやステーキ、ホットドッグといったもので、クリスマスならでは、という食べ物はありませんでした。

次回は私の住む町、バッキンガムシャーのクリスマスについてお話しますね。お楽しみに!


<木島・タイヴァース・由美子 プロフィール紹介>

英国政府公認ガイドとして30年以上にわたって英国全土の観光案内をする。

2015年に英国の文化に特化したツアーの企画、
アドバイスを専門に扱うカルチャー・ツーリズムUKを設立。
現在は観光ガイドの他に毎月英国の観光、
文化に関してのオンライン・トークを実施している。
バッキンガム州で夫、愛犬の3人暮らし。
その他、雑誌や新聞に寄稿。著書に『小さな村を訪れる歓び』
『イギリス人は甘いのがお好き』がある。

カルチャー・ツーリズムUKのホームページを見る


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