2023年10月、阪急うめだ本店3階にオープンした月替わりの劇場型イベントスペース『POP UP CIRCUS』。
『POP UP CIRCUS』の立ち上げから運営に携わる、担当メンバー4人による座談会の様子をご紹介。売場への想いや、各イベント企画へのこだわり、苦労したことなど、ざっくばらんに語りあいました。
【村井 ＜売場担当者＞】 うめだ阪急のイベントスペースでは、「コトコトステージ」や「プロモーションスペース」という名前が多いですよね。なぜ『POP UP CIRCUS』という売場名になったのですか？
【姜 (カン) ＜ブランディング／PR＞】
「POP UP」には“いきなり現れていきなりなくなる”という意味がありますが、それだけではなく一番は“気分があがるPOPな場所”をイメージしてほしくて『POP UP CIRCUS』に決まりました。
【江木 ＜バイヤー＞】
そうなんです。「POP UP」だけでなく「POPでUP」な空間を表す名前にしたかったんです。
【村井】
『POP UP CIRCUS』の場所は円形で、まるでサーカスのような空間ですよね。
【姜（カン）】
そうなんです。サーカスって、ドキドキとワクワクの象徴のようなものだと思うので、お客様にはそういうものを求めて来てほしいです。我々の想いを伝えるためにも、名前に生命力を与えて、名前が広がることによって、さらに人を呼び込むということをしたかったんです。
【村井】
私たちも熱い想いの込められた劇場の“演者”として、盛り上げていこうと思います。
【村井】
熱い想いが込められた『POP UP CIRCUS』は、モードファッションを担当する阪急社員の思い入れも強かったセレクトショップ『D.EDIT』の跡地にオープンしました。『POP UP CIRCUS』立ち上げの経緯を教えてください。
【姜（カン）】
世界的パンデミックの影響で、誰しもがオンラインでパリのコレクションを見られるようになって、お客様のファッション感度やレベルがあがってきました。一方でリアルの場では、ブランド体験を望むニーズが高まっています。このような潮流があり、五感で感じることができる、誰も見たことがないような売場を作りたいという想いから『POP UP CIRCUS』はできました。
【村井】
ただお買物をしていただく場ではなく、ブランドの世界観を体感していただく場でもあると思っているので気軽に『POP UP CIRCUS』に遊びに来ていただきたいですよね。
【村井】 ロゴ制作についても、かなり時間を費やしたと聞きました。
【江木】 そうですね。ロゴひとつ決めるのにも、メンバー全員でどれがベストかを決めていくんです。 その過程でより熱い想いが詰まったロゴができたと感じています。
【村井】 原案を見ると、今のロゴとかなり違いますね。
【江木】 そうなんです。グルーヴ感やPOPな気分を体現した、今までにはないロゴが生まれました。我々の熱い想いは伝わりますが、読みやすさや協業するブランドとの馴染みの良さまで考慮し、今のデザインになりました。
【村井】 洗練されたロゴで、モードフロアとも調和していてかっこいいですよね。
【江木】 完成したロゴが店外広告に入っているのを見たときは、ぐっとくるものがありましたし、このロゴにしてよかったと心から思えました。
【村井】
“五感を刺激する”がコンセプトの『POP UP CIRCUS』では、特に店内装飾には毎回こだわっていますよね。毎月、違う売場に来たような空間変化で、新鮮な気持ちになります。“劇場作り”において、阪急としてのこだわりやお取引先様にお願いしていることはありますか。
【江木】
思いっきりブランドの世界観に没入してもらえる空間になるよう取り組んでいます。内装以外の面においても、ただ新作ローンチの場所というだけでもなく、今まで売場や他のイベントスペースで表現したことのないような、唯一無二の環境になるよう試行錯誤を重ねます。だからこそ、既存の棚やラックを持ってきたというのはひとつもなくて、ポップアップサーカスのためだけに一から作っています。贅沢だなと思いますね。
【村井】
お取引先様にも多大なるご協力をいただいて、この売場ができているんですね。月替わりの劇場ですが、惜しみなく装飾にもこだわって舞台が作り上げられていますよね。イベントが終了し、月末に立派な装飾を撤去するのを見守るのは、寂しくもったいない気持ちになります。月毎に変化する売場だからこそ、ぜひ何度も足を運んでいただきたいです。
【村井】
百貨店のイベントスペースとしては、驚異的な広さの『POP UP CIRCUS』。同じ3階のコトコトステージ31の3倍以上、約70坪の面積があります。このスケール感だからこそ、苦労したことはありますか。
【山口 ＜売場マネージャー＞】
これだけ大規模な売場を一から作りあげるというのは、初めての経験でした。想定していた以上に関係者が多く、大変な部分もありました。『POP UP CIRCUS』としてのミッションをお伝えし、それに共鳴してもらい、それぞれの立場の意見を集約して、現場に落とし込んでいくなかで苦労したことも多かったですが、やりがいをもって取り組めました。
【村井】
そうですよね。社外関係者含め大きなチームで動いているので、日々意思疎通の難しさを感じます。だからこそ、関係者の熱い想いと素晴らしい世界観を、一人でも多くのお客さまに体感してほしいと思います。
【村井】
ひと月という開催期間の中で、パーティーやデモンストレーションを開催している『POP UP CIRCUS』。数時間限りの贅沢でスペシャルなひと時に私も毎回ワクワクしています。今後、『POP UP CIRCUS』でやってみたい企画はありますか。
【姜（カン）】
拡張現実(AR)を用いて、周りの空間と乖離した次元に入るようなコンテンツを提供してみたいです。例えば、プラネタリウムのような異空間を作って、それとハイファッションを組み合わせた空間体験ができるイベントを実現したいです。
【江木】
私は、世界の第一線で活躍するデザイナーやクリエーターとお客様が直接コミュニケーションしていただける機会を作りたいと思っています。作り手とお客様をつなぎ、ブランドそのものの魅力に触れていただける体験を提供することこそ、我々の使命だと感じています。
【村井】
今後もお客様に楽しんでいただけるようなイベントを企画いたしますので、ぜひご期待ください！
【村井】
では、最後にこの記事を読んでくださっているお客様に、『POP UP CIRCUS』のアピールポイントを伝えてください。
【姜（カン）】
世界的なファッションブランドが演出する、五感で楽しめる圧倒的劇場空間が、無料で体験いただけるっていうのが魅力です！様々な舞台装置が、皆様を魅了します。
【江木】
お買物するだけでなく、『POP UP CIRCUS』に来て20分、30分過ごすだけで、ブランドの魅力や歴史を体感いただけるはずです。そのブランド自体であまりお買い物したことがない、足を踏み入れたことがない方にとっても、ブランドの魅力に気付いていただけるというのがポイントです。
【山口】
ファッションやアート等を通して、『POP UP CIRCUS』ならではのワクワク・ドキドキ出来る体験を提供し続けていきます。モードファッションが好きな方にとっての、「聖地」のような位置づけの場所になれば嬉しいですね。
【村井】
お越しいただくお客さまそれぞれにとっての楽しみ方があるのが魅力のひとつだと思います。お客さまとお話していると、ファッションは詳しくないけど、「このデザイナーの思想に興味があって」「装飾がかわいくて写真を撮りたい」など、様々な興味軸をもって足を運んでくださっています。月毎にガラッと変わる売場はもちろん、音楽に意識を向けてみたり、オブジェを観察してみたり、、きっと、あらゆる感覚を刺激されると思います。