◎10月23日(水)～29日(火)
◎1階 コトコトステージ12
売場ニュース
10月23日(水)から1階 コトコトステージ12では、“WITH Good Harmony”をテーマに、未来に継承したい伝統やクリエーションをご紹介するイベントを開催。そこで今回は、ナンタケットバスケット作家の高井直子さんにインタビュー。伝統工藝品であるナンタケットバスケットの魅力や、ご自身が日々愛用されているアイテムについてお伺いしました。
＜ 高井直子 プロフィール ＞
幼少期よりものづくりの楽しさに目覚め、技術や資格を習得し、フラワーアレンジメントやナンタケットバスケットの講師など、多方面で活躍する。2021年、自身の会社NT. Inc を設立。同年にはライフスタイルブランド「CASA PICONE(カーサピッコーネ)」のクリエイティブディレクターに就任。ナンタケットバスケット教室「NT CLASS」を主宰、伝統工藝を現代に合わせてアップデートし、日常使いできるオリジナル「NT. Trad」を中心に、未来に継承したいクリエーションを生み出す会社を目指す。抜群のファッションセンスと、オリジナリティーあふれる感性から生み出される様々なアイテムは幅広い年代層のファンに愛される。
―――今回ご紹介いただくナンタケットバスケットについてお聞かせください。
「アメリカ東海岸のケープコッド沖に位置するナンタケット島で生まれた伝統工藝品です。ナンタケットとは、原住民の言葉で"はるかなる島"を意味します。当時石油が登場する以前、鯨油は大変貴重なもので、18世紀初頭より捕鯨業の中心として栄えました。そして、捕鯨船の漁師たちが捕鯨業の合間に、航海先の南の島々や、東南アジアから持ち帰った"籐"を、鯨油を保管する樽に合わせて編み始めたのが、バスケットが生まれた歴史的背景と言われています。
島の産業を支えたこの工藝品は、徐々にその芸術性や希少性が認識されるようになり、技術継承者も限られていたことから、アメリカの上流階級やセレブリティに愛される、ラグジュアリーな伝統工藝品になりました。今もなお、正式に社交界で持つことが許されている唯一のバスケットです」
―――高井さんがナンタケットバスケットを知ったきっかけを教えて下さい。
「昔から母の手作りのものに触れる機会が多く、自然と人の手から生み出されたものに魅力を感じました。ナンタケットバスケットに出会った20数年前も見た目はもちろん、ものづくりの背景や歴史を知って更に虜になり、レッスンに通い編めば編むほど、どんどん魅力にはまっていきました。国内外でオフィシャルの技術を修得し、講師として教室を開講、ありがたいことに多くの生徒さんにこのバスケットを作る機会を提供することができました。希少な材料を使い、ひと目ひと目隙間なく正確に編まなければならないのですが、編む人によって出てくる個体差も魅力となり、出来上がった作品は世界にたった一つの宝物になります」
―――今回登場する「シュタイフ」とのコラボアイテムのこだわりやおすすめポイントを教えて下さい。
「私のものづくりの原点のもうひとつが、幼いころから大切にしている沢山のぬいぐるみ。好きなものや興味のあるものはすぐに自分でも一度作ってみたくなる私は、学生時代に手芸教室に通ってテディベアを作ったこともあります。今でもぬいぐるみやキャラクターアイテムは大好きで、頭の中には常に、欲しいものやあったらいいなと思うものを形にしてみたいという思いがあります。
ある日突然、縁あって、世界で初めてテディベアを作った会社として知られるドイツの『シュタイフ』のテディベアと高井直子のつくるバスケットとのコラボが実現しました。今回のイベントでは、私の製作するオリジナルのナンタケットバスケットとテディベアのチャームを販売します。このテディベアは、私がデザインしたナンタケット島の伝統色のお洋服を着ているのがポイントです。ナンタケットバスケットと『シュタイフ』のテディベアという、共に長い歴史を持つクリエーション同士が世界で初めてコラボし、新しい形として伝統を未来に残していく取り組みが出来るのは素晴らしいことだと思い、貴重な経験になりました」
――― 今回のイベントではナンタケットバスケットだけでなく、食や美など、高井さんが日常に欠かせないマストアイテムもご紹介いただけるとお聞きしました。
「まず、ご紹介させていただくのは、にんにくオイルと刻みオリーブ醤油です。出会った時はとても感動し、和歌山県由良町で半世紀にわたってにんにくを栽培している農園が運営しているBOAT CAFE 衣奈マリーナさんが、無添加調味料として商品化したもので、今では私の料理に欠かせません。パスタの仕上げにこのオイルをかけるだけで、生にんにくならではの香ばしいかおりと旨味が食欲をそそります。そのままサラダに少しの塩を加えてドレッシングとして使ったり、カルパッチョの仕上げに加えたり、簡単にできる使い方がおすすめですが、レシピとなると"ツナと大葉の冷製パスタ(プッテナスカ)"でしょうか。 刻みオリーブ醤油は、地元有田のカネイワ醤油さんのものを使用し、お肉やお魚料理のソースなどにぴったりです。魚やお肉に直接かけてもらうのはもちろん、チャーハンや野菜炒めなど焼き物におすすめです。酢と1:1で合わせるとワンランク上の餃子のタレにもなります」
―――息子の俊太郎さんデザインのアイテムも登場すると伺いました。どのような背景で制作されたのでしょうか？
「イギリス留学中の高校生の息子は、デザインシステムを中心に学んでいますが、学校のカリキュラムとして、アートなどの芸術を学ぶことも必須です。幼い頃から好きなことに没頭できる環境を与え続けられるようにし、離れ離れになった今は、一時帰国の際に必ず様々な場所に連れて行き、感性を養う機会を作るようにしています。今回 初めて俊太郎が作り出したキャラクターたちはそれぞれ個性的で特徴があり、一つの家族として成り立つ設定だそうです。私もまだまだ知らない、彼のクリエーションの中身。彼の個性がどのように花開くのか、今から楽しみで仕方がありません」
―――日常使いができる「NT. Trad」コレクションから、重箱とクジラのトレーのおすすめポイントを聞かせてください。
「今まで限定的に工藝品を作ってはいたのですが、日本の伝統工藝作家さんからきちんと技術を学び、伝統産業を次世代に繋げていきたいという思いから、この度『NT.Trad』というコレクションを立ち上げました。私が最も大切にしている日本の杉を用いて、お重箱やお弁当箱などを製作しています。日本人に馴染みのある杉の木は使うたびに、良い香りに包まれ、風合いも馴染むたびに経年変化を楽しめます。お弁当からパーティーの盛り付け用など幅広い用途としてお使いいただけます。お重箱のフォルムはミリ単位でこだわり、満足な仕上がりになっています。
クジラのトレーはナンタケット島で出会ったクジラのデザインが忘れられず、木工藝に起こしてみました。チェリー材を使用、丸みを帯びたデザインが可愛らしく、普段はプレートとして、来客の際は盛り合わせ用のプラッター、インテリアのアクセントなど、幅広く使える一品です。」
―――デザイン性はもちろん、歴史的背景を知るとさらに愛着や魅力が深まりますね。イベントでは、高井さんのこだわりが詰まったアイテムが見られること、とても楽しみにしています！
「It's My TRAD －高井直子が共感するモノコト－」
◎10月23日（水）～29日（火）
◎1階 コトコトステージ12
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