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母や祖母から譲り受けたジュエリーのデザインやサイズを変更したい。20歳のお祝いに誕生石をあしらったリングを娘にフルオーダーで作りたい…などジュエリーにまつわる願いや要望はさまざま。
大阪梅田、阪急うめだ本店の1階 アクセサリー売場には、そういった問題を解決してくれるジュエリーのオーダー･リフォーム･修理の専門店「stoRé（ストーリー）」があります。
「stoRé」は“story（物語）”“Re（再生）”“store（店）”を合わせたショップ名。 ショップオーナーは、ファッションジュエリーアドバイザーの余嶋哲治（よじまてつじ）さん。「ストーリー」でできるサービスや余嶋さんとジュエリーとの関わり方のお話を伺いました。
◆ショップ「ストーリー」の成り立ち
――余嶋さんが「ストーリー」を立ち上げようと思われたきっかけをお聞かせください。
大学の経済学部を卒業後、ファッションのメーカーに入りました。配属先がジュエリー部門の営業だったのです。そこからジュエリーについて一から勉強し始めました。その後、一旦独立を経て、ジュエリーの工場に勤めました。当時、ジュエリー販売ではメンテナンスやケアの話はほとんどなく、売りっぱなしの状況で、それをずっと疑問に思っていました。
2003年に一度出店した経緯もあり、阪急うめだ本店の1階にジュエリーリフォームの売場はなかったので、2012年の阪急うめだ本店のグランドオープンの際に出店を提案しました。そして会社を設立して出店を実現させたのです。当時からリフォームもおしゃれに変えてくれるサプライヤーが求められていたと思います。自分がいた工場直結で加工できる強みもあり、その分技術力も謳えます。ファッショナブルに訴求できる、おしゃれなリフォームを目指して「ストーリー」を立ち上げました。
◆多種多様なご要望に対応
――余嶋さんは、どういうお仕事をされているのでしょうか。
お客様からどんな修理の依頼が来るか、どんな作り変えのご要望が来るか、毎回違います。まずそれを受け、こなせることは大前提と考えています。お客様の思いをいかに引き出して、それをデザイナーや職人に明確に伝えるのが私の仕事です。いわばトランスレーター的な。ご要望を伺いながら、さらに「お客様の手なら、こういったデザインが似合いますよ」といったご提案も。どんなニーズがあるのか、かゆい所に手が届くように、それぞれにアジャストさせていただきます。
ご相談は1回に、だいたい1時間くらいじっくりとご要望をお伺いします。大切なジュエリーをお預かりするので、まずはお客様と信頼関係を作るところからですね。
コロナ禍前の話ですが、修理やリフォームは年間6,000件くらいありました。「他店で断られてここに来たの」という方が結構いらっしゃいます。「親からもらったものだから、どうしても直して欲しい」といった強い思い入れがあったりしますから…。こちらではほぼ直せていますし、どうしてもできない場合はその理由を明確にお伝えしています。そういうケースがあっても、ありがたいことに多くのお客様がリピートしてくださっています。
◆ご相談内容
――具体的にどういったご要望がありますか。
「まずリフォームする価値があるのか宝石を見て欲しい」などがあります。もう採れなくなってきている希少な宝石、たとえば赤黒いルビーなどは本当に貴重なので、作り変えたり、直したりして使ったら良いといったことは申し上げます。
最近では二世代、三世代でご来店される方々も増えました。「自分の宝石をこどもにあげたい、それに母からもらったものもあるから、それをどうにかしたい」とか。本当にお一人お一人いろいろです。親から譲ってもらったものは古いという固定概念があると思いますが、今のトレンドから考えたらさほど古くないこともありますし、きれいにサイズ直しをするだけで生まれ変わります。
石を外して、作り変えるというのは、フルオーダーやパターンオーダーでも対応していますし、それプラス、デザインのご提案もしています。 割れやすいエメラルドの修理やリフォームも、弊店ではほぼ承っています。エメラルドは基本的に石の中にヒビが入っているものなので、さすがに石を外したらすでにもう割れているというものは修理できませんが、大概のケースは対応できる技術がありますので、一度ご持参の上、ご相談いただければ。
9割以上はその場で価格と日数のお見積もりをし、前金で頂戴しています。リフォームなら、そのジュエリーをご持参いただいて、スタッフがご要望を伺いながら、ご相談を承ります。ご相談は無料です。できるだけ時間に余裕をもってお越しくださることをおすすめします。
――1回のお値段や期間はどれくらいかかるのでしょうか。
一番簡単なネックレスの留め金が外れた場合の取り付けは600円です。修理に限っていうと、600円から数十万円です。金やプラチナは変色しがちですが、変色ならきれいに直すのは5,000円くらいでできます。 簡単な修理ですと1～2週間でお渡しができますが、お渡しの日程はケースバイケースです。通常の修理ですとだいたい3週間くらいいただいています。
◆輝き続けるジュエリーの物語
――印象に残っているエピソードはありますか？
「亡くなった主人の写真を入れる大き目のロケットを作りたい」という方がいらして、デザイン画から起こしてフルオーダーで作ったことがあります。
また、「亡くなった主人のマリッジリングと自分のマリッジリングを溶かして一本にして身に着けたい」とか。これは技術的にとても難しいのです。そもそも14金とか18金とかは混ぜ物があります。混ぜ物には規則がなく、何が入っているか分からない。1回溶かすと分離したり、ヒビだらけになったりするのです。叩いて曲げたら、割れたり。磨いてもきれいにならないという事象があるのです。その問題をクリアするのに1年くらいかかりました。職人の根気と技術が必要でした。私がいた山梨の工場でも数人の職人しかできない技術です。地金を溶かして固め直して何かを作るというのは物理的にはできますが、お客様に見せられるきれいな状態に持っていかないとだめなのです。
お客様の金やプラチナを使ったリフォームができると聞きつけて、わざわざ名古屋から来られた方もいらっしゃいました。「祖父の印台リングの地金から、ペアのマリッジリングをつくりたい」と。2か月かかりましたが、出来上がった2本のマリッジリングをご覧になった時は、とてもお喜びのご様子でした。そんな風にジュエリーには個人やご家族のいろんな物語があるので、そこに寄り添っています。
大切な人から受け継がれたジュエリーの再生。誕生石やデザインなどを選び、世界にひとつだけのドラマチックなオリジナルジュエリーを作る喜び。 愛や絆、そして思い出…。ジュエリーの輝きに込められた、いとおしい物語を受け継ぎ、新しい歴史に繋いでゆく幸せ。輝き続けるジュエリーのストーリーをあなたも紡いでみてはいかがでしょうか。
■「ストーリー」リニューアルオープン
◎3月22日（水）～ RENEWAL OPEN
◎1階 アクセサリー売場
◎3月29日（水）～4月11日（火）
記念として、期間中、リフォーム、オーダーをご注文の方に天然石ルースをプレゼント。
ご注文の上、さらに「HANKYU STYLE記事を見た」という方には、真珠専用のクロスをプレゼントいたします。※なくなり次第終了。
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