[阪急のみなさん、おすすめ聞かせて。]
2022.06.27
売場ニュース
阪急の人におすすめを聞くシリーズ。第一弾は「絵本」。
子育てフロアのスタッフに『こどもの頃に読んだ懐かしの絵本』や『こどもたちに是非読んで欲しい絵本』を紹介してもらいました。さらに、神戸阪急スタッフも知らない絵本に出会うため、神戸の街の本屋さんに「絵本をめぐる旅」にも出発。
こどもに読んであげたい優しい絵本、久しぶりに読み返してみたい懐かしい絵本、大人になったからこそわかる奥深いメッセージ。絵本って、こどももそして大人になってからも今まで知らなかった新しい世界の入り口を教えてくれる、小さくて力強い扉だと思うのです。
神戸阪急 ライフスタイル・子育て営業部 片岡利枝
「ぐるんぱのようちえん」
「まず、この絵本の絵が可愛くて好きなんです。みるだけでほっこりするというか。」と言いながら、片岡さんがにこにこ取り出したのは私も見覚えのある名作「ぐるんぱのようちえん」。久しぶりでお話忘れちゃったな、と呟くとストーリーを教えてくれました。
ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞう。すごく汚くて、くさいにおいもして、ときどきひとりぼっちがさみしくて涙がこぼれてしまいます。それを見かねたジャングルの仲間たちがぐるんぱをきれいに洗って働きに出します。ぐるんぱははりきってお仕事探し。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場。どこでも一生懸命に働きますが、つくるものが大きすぎて失敗ばかり。毎回「もう けっこう」と追い出されてしまいます。 その度にぐるんぱは、しょんぼり しょんぼり
「この「もう、けっこう」と「しょんぼり しょんぼり」の繰り返しが文章のリズムもいいので、子どもたちに読み聞かせているとタイミングを覚えて一緒に口ずさんでくれるんですよ。」と片岡さん。
何度追い出されても、「とびきり はりきって」頑張っているのになかなか認めてもらえずまた泣きそうになるぐるんぱの切ない表情にこころがきゅっと苦しくなります。
ぐるんぱががっかりしてまた昔のように涙が出そうになりながら進んでいくと、子どもが12人もいるお母さんに出会います。子どもたちの世話を頼まれたぐるんぱは、これまで作ったものを遊具にして楽しい幼稚園を作ります。大きな靴ではかくれんぼができるし、大きなビスケットはこどもたちがいっぱい食べても無くなりません。たくさんのこどもたちと毎日遊んで、ぐるんぱはもうさみしくありません。
「最初はさみしくてしょんぼりしているぐるんぱが、色々な経験をして最後はハッピーに過ごしている様子にほっとしますよね。そんなストーリーが好きでよく子どもたちに読んでいます。絵本ってそこから子どもと親の対話が生まれたりするもの素敵だと思うし、デジタルにはない魅力ですよね。」そうにこやかに話す片岡さんの表情から、ご自宅でお子さんとの時間を楽しまれている様子を垣間見たようでした。
私も1歳半の娘がいますが、成長するにつれて学校でも仕事場でも家庭でも一生懸命頑張っても空回りしたり、自分の居場所は本当にここなのか不安になったり、この方向に進んでいいのかなと思い悩んだりすることが多くなるかもしれません。でも、この絵本をおすすめいただいて久しぶりに読んでみて、「一生懸命に自分ができることと向き合っていると、『子どもが12人もいて忙しいお母さん』のような自分の存在と頑張りを認めてくれる居場所が見つかるよ」、とぐるんぱをきれいに洗って送り出したジャングルの仲間のようにそっと後押ししてあげたいな、と思いました。
(なるのだ編集室 押谷友望)