[おうち時間を心豊かに] [Affection for Life 本館5階] [器] [食]
2023.04.26
売場ニュース
「Affection for Life」をテーマに改装中の神戸阪急本館5階。家族や自分へのやさしさや愛情あふれる暮らしを提案していくフロアです。その一角、「うつわプラス」は、愛知県瀬戸市の食器メーカー「マルミツポテリ」とともに、食器をただ「モノ」として売るのではなく、食器を通して食事の時間を大切にするための提案をおこなっていきます。
「食事をより楽しく、より豊かにする」のコンセプトのもと食器の製造、販売、直営レストランの運営などをおこなっている「マツミツポテリ」。今回、神戸阪急の5階フロア担当である大宮と木実がRerere編集部とともに本社に伺い、営業部の鈴木基さんに食器がつくりだす食事の楽しさについてお話をお聞きしました。
カフェオレボウルがもたらす、「カフェの時間」のように。
企画から販売まで、食器について精通するマルミツポテリ営業部鈴木。
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マルミツポテリの食器づくりはどのように始まりましたか? |
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創業は1950年ですが、当時は現在のようなオリジナルの食器を作る会社ではなく、いわゆる「産地問屋」として地元の窯元から商品を集めて販売していました。オリジナル食器の生産を始めたのは1980年代半ば、現在の社長が付き合いのある窯元さんに行った時に見た「カフェオレボウル」がきっかけだったんです。 |
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当時、カフェオレボウルってまだ珍しいですよね。 |
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そうですね。日本でカフェの文化やブームが広がる前だったんじゃないかなと思います。窯元さんが海外向けに作っているカフェオレボウルを見せていただきながら、「フランスではこういう器でカフェオレを飲んで、クロワッサンを食べているんだよ」という話を聞いて、「かっこいいな」と感じたそうです。その時に、食器から食べものやシーンが思い浮かぶような、人の気持ちを動かす食器をつくりたいと思ったと聞いています。 |
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というと? |
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料理によって食器を選ぶというのはよくあると思うんです。そうじゃなくて、「この食器にこんな料理を盛りつけて、こんなふうに過ごしたいな」「この器でお茶を飲みながら、こんな時間を過ごしたいな」と想像してもらえるような、ライフスタイルをつくるような食器ですね。 |
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なるほど。たしかにカフェオレボウルを手に取ることで、フランスのライフスタイルやカフェでリラックスしている時間までイメージできますね。 |
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そうなんです。そんな心が動く食事のシーンや楽しみをつくっていきたいというのが、私たちのオリジナル食器の開発の根底にあります。 |
「このお皿になにをのせようか」から始まる食事の楽しみ。
本社ショールームに並ぶオリジナル食器
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マルミツポテリさんにとっての「食器」とはどんな存在でしょうか? |
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食べることって、基本的には楽しい気持ちになる行為だと私たちは考えています。でも、時にはつらく感じることもあると思うんです。お子さんがあまり食べないとか、病気で思うように食べられないとか、働いていて食事の準備が大変だとか、片付けが面倒だとか。それすらも私たちは食器が変われば楽しくなるよって考えているんです。 |
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食器がもたらす「なにか」があるんですね。 |
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私自身、マルミツポテリさんのジュピターというお皿を持っているのですが、「このお皿になにをのせようか」っていうワクワク感がマルミツポテリさんの食器にはあると感じています。ジュピターは丸くて大きい、フラットなお皿で、まるでキャンパスみたいに使えるんです。メインのステーキをどんと置いてみたり、小皿をいくつも置いてみたり、スイーツを並べたり、サラダを盛り付けたりといろんな使い方ができて、一度使うとまた使いたくなる。「次はなにをのせようかな」って。 |
さまざまな使い方ができる「ジュピター」シリーズ。
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食事を作るのも楽しいんですけど、全部作らなきゃいけないわけじゃない。お惣菜を買って帰ってどう盛り付けようかと考えるのも楽しいことだと思うんです。 |
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そうですね。お惣菜を買って帰るのもそう考えると楽しいことになりますね。 |
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あと、基本的にうちの食器の裏にはロゴが付けられているんですが、片付けるときに裏が見えてふとかわいいなと思ってもらえたら、片付けの時間もちょっと楽しい時間にしてもらえるのではと思ってるんです。 |
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確かに。昨日もマルミツさんの食器を使ってて、片付けしてる途中にお皿の裏のロゴを見てかわいいなって和んでました。食べる瞬間だけじゃなくて、その前後の時間も含めて、食器がもたらすことのすべてが「食事の楽しさ」に繋がっていきますね。 |
お皿の裏のロゴも「食事を楽しむ」ことのひとつ。
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そういった、「どういうシーンで、どんなお料理をのせて、どう使うのか」というのは商品を企画するときに考え尽くしています。ちょっとでも使いづらい部分があると「食事の楽しみ」にはつながらない。使いづらいものは使わなくなってしまうので、そういった「実用性」の部分も大事にしています。 |
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だから、何度も使いたくなっちゃうんですね。まんまとはまってますね(笑)。 |
自身もマルミツポテリの食器のファンだと話す木実。
愛情あふれる暮らしのために、食事の時間を楽しくしたい。
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神戸阪急の新しいフロアでどんなことをしていきたいと考えていらっしゃいますか。 |
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いわゆる洋食器や和食器といったジャンル別の区切り方をするのではなく、メニューも含めて、食事のシチュエーションやシーンの楽しみ方を提案する売り場にしたいなと思っています。食器を「モノ」として売るのではなく、食事の時間がもたらす優しさとか楽しさとか、そういうものを伝えていきたい。 |
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普段の自分たちの食卓を考えてみても、和食器、洋食器と分けて使うようなことはあんまりしていないと思うんです。食器は「食事の時間」を楽しんでもらうための「道具」なので、メニューやシーンと一緒に提案していきたいと考えています。 |
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「楽しくご飯を食べてほしい」という願いって、家族に対する優しさのあらわれだと思っています。そんな想いに寄り添えるようなフロアにしたい。一生のなかで家族と食事する時間がどれだけあるかわからないけれど、その時間を思い出に残る楽しい時間にしていくきっかけとなれたらなと思っています。 |
大宮自身も休日には料理づくりを楽しんでいる。
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食事を通して、家族への愛情を表現できるんですね。 |
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マルミツポテリさんの食器は、ラインナップも使い勝手もそんな想いを叶えてくれるものだと思っています。「食事の楽しみ」の部分って忙しさやプレッシャーのせいでないがしろになっていることもあると思うんです。でも、この売り場に立ち寄ってもらうことで「このお皿を使ってこんなふうに過ごしたい」という、食事の楽しさを思い起こす時間にしてもらえたら。家族とだけじゃなくても、一人でも友人とでも、食事を楽しむことの「価値」を改めて感じていただけたらと思っています。 |
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ひとつ付け加えるとすると、食器って画一的な工業製品ではないんです。同じ作り方、同じ窯の温度で作ったとしても、季節による温度変化の違い、窯の中での位置、釉薬のかかり方、土の素材の微妙な違いによって実はひとつひとつ違うと思っています。 |
売り場づくりについて話す鈴木と木実(手前)。
マルミツポテリ営業部営業戦略チーム、器コンシェルジュ。
マルミツポテリでは社員食堂で社長や新入社員が中心となって手作りランチを提供したり、取引先を本社に招いて納涼会や忘年会を行ったりと、社内でも食事を通したコミュニケーションを大切にしています。「納涼会では駐車場にずらっと机を並べて、テーブルコーディネートやライティングをしてみなさまをお招きするんです。食器を通してつながっている多世代の方々が一堂に会して楽しむことができる。いい時間だなと感じてます」(鈴木)。
(なるのだ編集部 山本しのぶ)