◎1F
立派に育った大根を、既にどれほど食べていることでしょうか。
でも、やはり師走の寒さが厳しくなると、さらに甘さが増したように感じます。
葉付きがあれば喜んで手にしていることは、以前ニンジン編でもお話させて頂きましたが、大根も同様です。
収穫されても野菜は生きていますから、そのままだと葉が根の栄養を吸収し続け、大根もしんなり、葉も乾燥と呼吸でしんなりとしてしまいます。
できるだけ早く実から切り、保存すると良いでしょう。
更に大根葉はしっかりとしているため、葉が大きいところと葉柄が太くなっているところを分けると、葉の独特のほろ苦さが活きた新しいアイデアが生まれます。
クタクタに煮ても太い葉柄部は口に筋が残るので、こちらは葉の部分がオススメです。
色はくすみますが、クタクタになったほろ苦さがある大根葉と時々感じる干しぶどうの甘さがミックスされた美味しさがあります。
ワインと共に。バケットを添えたり、前菜盛り合わせの一品にもどうぞ。
材料
大根葉 1~2本分の軸が細くなっている部分より上の葉
にんにく 1片
唐辛子 1本
干しブドウ 大さじ1~2
塩 小さじ1/3
EXVオリーブオイル 大さじ2~3
白ワイン 100ml
作り方
鍋にオリーブオイル、薄切りにしたニンニクを入れ火にかけ香りが出てきたら、ざく切りにした葉、赤唐辛子、塩、白ワイン、レーズンを加えて炒め煮にします。
水分がなくなれば、味を確認し塩で調味し完成です。
太い軸の部分をと葉を小口切りにしたお好み焼きは王道ソースも合いますが、ポン酢と一味で頂くのもオススメです。
また菜っ葉炒め多目に作り冷凍保存しておけば焼き飯等加える時にも便利です。
調理せず、小口切りにして冷凍しておくのもひとつ。
食感は変わりますがすぐに柔らかくなるのでスープなど汁物、煮物に緑が欲しい時などに便利です。
これから寒い季節に向けて、ほっこりと温かい料理が欠かせません。
ほっこりおでんや、ふろふき大根の際剥いた皮も食べやすく切って冷凍保存しておくと、柚子大根、大根の皮のラーパーツァイ(中華風甘酢漬け)と時間がある時に作りやすく、味も馴染みやすくなります。
師走、ご馳走続きの中に、やさしい大根の滋味深い味わいを丸ごと楽しんでみませんか。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。