英国の母の日は3月 別名『 マザーリング・サンデー(Mothering Sunday)』

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

3月は、英国の母の日について。
英国バッキンガムシャー州在住の英国政府公認ブルーバッチ観光ガイド木島・タイヴァース・由美子さんにお話いただきます。


それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!



子供たちがまだ小さかった時のこと。
母の日の早朝、寝室に大きなトレイを持った子供たちが『Happy Mother’s Day! 』と叫びながら、嬉しそうに入ってきました。
見ると、トレイにはティーバッグにお湯を注いで作った紅茶とダイジェスティヴ・ビスケットが載っています。
紅茶はぬるくなっていましたが、子供たちの気持ちが嬉しく、最後までしっかり飲み干したことを覚えています。

写真上:ロンドンの路面店の母の日ディスプレイ(photo by Rinaさん)、写真下:ハロッズの母の日ディスプレイ(photo by Rinaさん)


英国の母の日は、今年は3月27日。3月に入ると、街のお店に並ぶ商品、ウィンドウディスプレイはすっかり"母の日"に。
上の写真のディスプレイは、なんと"アイシングクッキー"でつくられているそうです!
華やかなディスプレイは、見ているだけでもワクワクしてしまいますね。


Q:英国で母の日のプレゼントは、どんなものが人気なのですか?

木島さん:人気のプレゼントは、お花やチョコレートです。
日本ではカーネーションを贈る習慣がありますが、英国では花の種類は特に決まっていません。
11月の読みものでご紹介した、イベント用のフラワーアレンジメントビジネスをしているレベッカのお店では、母の日の注文でおお忙し!
例えば『私の母の好きな"黄色のバラ"を素敵にアレンジしてください。』といったような、それぞれプレゼントしたいお母さんが好きな花を主役にしたブーケの注文が多いとか。

レベッカがアレンジした母の日ギフトのフラワーブーケ

ホテル「London Hilton on Park Lane」の母の日のための特別なアフタヌーンティー


最近では、品物ではないプレゼントも増えてきました。
例えば、アフタヌーンティーに誘ったり、スパにお母さんをご招待、といった優雅なものまで。
写真はホテル「London Hilton on Park Lane」が母の日に特別に提供するアフタヌーンティー。
日頃の感謝を込めて、お母さんをアフタヌーンティーにご招待、というのも素敵ですね。


Q:英国の母の日と、日本の母の日。日にちが大きく違っていますね?


木島さん:そもそも、日本の母の日の習慣はアメリカから伝わったものとされています。
アメリカではヴァージニア州のアンナ・ジャーヴィスの運動を発端に、1914年に「母の日」が公式に定まりました。
彼女の母は13人の子供のうち9人を病気で失った経験から、コミュニティを通して小児病や、衛生観念を学ぼうと活動した人です。

1908年、アンナ・ジャーヴィスは母が日曜学校の教師をしていた教会で「これを胸につけて、皆さんのお母さまを思い出してください。」と、500本の白いカーネーションを配りました。
白いカーネーションはアンナの母が好きだった花でした。
日本で母の日にカーネーションを贈るという習慣は、ここから由来しているのでしょうね。
カーネーション

カーネーションの値段は地域によってことなりますが、英国では平均一本が(1ポンド50ペンス)くらいです。
※ロンドンが一番高いようです。


一方、英国の母の日についてですが、こちらは当初"人の母"ではなく"母教会"を意味していました。
つまり、洗礼を受けた教会の"mother church(母教会)"のことです。

英国の母の日、別名『マザーリング・サンデー(Mothering Sunday)』はキリスト教の四旬節[イースター(復活祭)前にキリストの苦難をしのんで断食する期間]
に入って、4回目の日曜日と定められています。

イースター(復活祭)が毎年違った日なので、『マザーリング・サンデー(Mothering Sunday)』も毎年日程がことなります。
アメリカで母の日が定められると、その後英国でも『マザーリング・サンデー(Mothering Sunday)』が次第に「(人の)母の日」へと変わっていきました。

次回は英国の母の日、後編。
英国やアイルランドで『マザーリング・サンデー(Mothering Sunday)』の伝統菓子とされる"シムネル・ケーキ"が登場します。
お楽しみに!!


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