イースターのシンボルは、タマゴとウサギ

英国の一年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

今月は前回より引続き「英国のイースター」について。
英国バッキンガムシャー州在住の木島・タイヴァース・由美子さん(※)にお話いただきます。
※英国政府公認ブルーバッチ観光ガイド


それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!

食事には、「ロースト・ラム」があります。
ラム(子羊)はイースターに限った食べ物ではありませんが、イエスが神への生贄としてのラムに象徴されることから、またラムがこの時期に生まれることからイースターにいただくことが多いのです。

写真:ロースト・ラム © Much Ramblings, CC BY 2.0

さてイースターのゲームとして人気があるのは、「エッグ・ハント」です。
庭や公園に隠されたタマゴを子ども達が見つけるゲームです。下の絵は1889年のものです。
今ではほとんど、チョコレートで出来たタマゴが使われます。
そして、そのイースター・エッグを運んでくるのが「イースター・バニー」ウサギです。
エッグハントの際にイースター・エッグを隠す!そんな大事な役目もします。

写真上:エッグ・ハント
写真下:イースター・バニー

さて、その他の食べ物として人気のあるものは、「シムネルケーキ」があります。

母教会を訪れる際に家族へのお土産として持って行ったのがシムネルケーキですが、今ではイースターのケーキとしても知られています。
「イースター・ビスケット」は、ミックス・スパイスにカランツを入れたビスケットです。

写真上:シムネルケーキ © James Petts from London   CC BY-SA 2.0
写真下:イースター・ビスケット ©2022 Only Crumbs Remain

「ホット・クロス・バン」の由来については、さまざまな説があります。そのひとつとして、14世紀、聖オルバン修道院僧であったトマス・ロドクリフが作った菓子パン説があります。これは‘オルバン・バンズ’と呼ばれ、貧しい人たちに配られました。
ホット・クロス・バンは、スパイスやカランツ、レイズン、オレンジピールなどが入った菓子パンのようなもので、上には十字架の模様がついています。昔はイースターの時期だけ店頭に登場していました。しかしファンが多いようで、署名運動まで行われて、今では一年中スーパーに出回るようになりました。
英国の長い冬が終わり、植物が元気に育ち始めるこの時期、英国の人々にとってのイースターホリデーは、まさに希望のシンボルと言えるでしょう。

写真:ホット・クロス・バン

<木島・タイヴァース・由美子 プロフィール紹介>

英国政府公認ガイドとして30年以上にわたって英国全土の観光案内をする。
2015年に英国の文化に特化したツアーの企画、アドバイスを専門に扱うカルチャー・ツーリズムUKを設立。
現在は観光ガイドの他に毎月英国の観光、文化に関してのオンライン・トークを実施している。
バッキンガム州で夫、愛犬の3人暮らし。
その他、雑誌や新聞に寄稿。著書に『小さな村を訪れる歓び』や『イギリス人は甘いのがお好き』がある。

カルチャー・ツーリズムUKのホームページを見る

※記事に掲載されたイベント情報や商品は、売り切れ・変更・終了する場合がございます。
※売り切れの節は、ご容赦ください。
※表示価格は、消費税を含んだ税込価格です。