エリザベス2世女王陛下の在位70周年を祝う「プラチナ・ジュビリー」(後編)

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

6月は、エリザベス2世女王陛下の在位70周年を祝う「プラチナ・ジュビリー」について。
英国バッキンガムシャー州在住で英国政府公認ブルーバッチ観光ガイドの木島・タイヴァース・由美子さんにお話しいただきます。


それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!


エリザベス2世女王陛下の在位70周年を祝う「プラチナ・ジュビリー」。
この期間、ロンドンやウィンザーだけではなく、英国各地で祝賀イベントが開催されていました。

友人の家の前の道路で行われたビッグランチ(※)、その時の写真が送られてきましたのでご紹介します。
※ビッグランチ…「近隣やコミュニティの人たちとのつながりに感謝し、更にお互いを理解し合いましょう。」という目的で2009年に始まったプロジェクト。
食べ物や飲み物を持ち寄って、一緒にランチを楽しむ行事です。

また、私の住む町の植林園でもプラチナ・ジュビリーのピクニック・イベントが行われ、ピクニックをしながらお祝いをしました。
ここでもユニオンジャックがあちらこちらに掲げられていました。
写真左上:子供から高齢者までが一緒に集まりました。
写真右上:持ち寄りのお手製ケーキがテーブルに並びます。
写真左下:女王陛下に乾杯!
写真右下:チャールズ皇太子のマスクをして。

オックスフォードシャーにあるストノー・パークは、ストノー家が850年以上にわたって住んでいる館です。
ここでは中世の騎士のスポーツ、“ジャウスティング”とは長いランス(槍)を持った騎士が向かい合って猛スピードで走り、相手をランスで突いて馬から落としてポイントを稼ぐスポーツです。
写真左:ストノー・パーク
写真右:中世には騎士たちが命がけで戦ったスポーツでした。

さて、ロンドンにはダブルデッカー(二階建てバス)でアフタヌーンティーを楽しむ観光もあります。

ダブルデッカーの中でも特に人気があるのが“ルートマスター”。
ルートマスターは1954年から1968年にかけて運行していたロンドンっ子に愛されていたバスで、現在市バスとしては限られた路線のみで運行しています。
写真上:ルートマスターもこの期間はプラチナ・ジュビリー一色でした。
写真中・下:ブリジッツ・ベーカリーが行っているツアーでは、ルートマスターに乗りながらアフタヌーンティー体験ができます。
7月末までプラチナ・ジュビリーにちなんだ特別な内容だそう。


さて、エリザベス2世女王陛下の在位70周年の儀式、「プラチナ・ジュビリー」で私たちは女王陛下について多くを学びました。

これまで女王陛下は数えきれないほどのスピーチをされました。その中でも多くの英国人にとって大事だったスピーチは、女王陛下が21歳の時に(英国では21歳が成人となる年)ご両親と訪れた南アフリカで行なったスピーチでしょう。
それは英国国民、そして英連邦の人々のためにラジオを通して行なわれました。

「私は、私の全生涯を、たとえそれが長かろうと短かろうと、あなた方と我々の全てが属するこの偉大な、そして威厳ある国家に捧げる決意であることを、ここに宣言いたします。」
写真左:女王陛下の21歳の時のスピーチ。
写真右:女王とパディントン・ベアの動画。
©Buckingham Palace・Studio Canal・BBC Studios.・Heyday Films


国民は、女王陛下がこの言葉を75年間守り続けて来たことに驚くと共に、感謝の気持ちを抱いています。

プラチナ・ジュビリーのために特別に製作された女王陛下とパディントンベアーのアフタヌーンティーの動画の中では、その国民の気持ちをパディントンベアが見事に女王陛下に伝えてくれました。

Happy Jubilee, Ma’am.
And thank you for everything.

<木島・タイヴァース・由美子 プロフィール紹介>
英国政府公認ガイドとして30年以上にわたって英国全土の観光案内をする。
2015年に英国の文化に特化したツアーの企画、
アドバイスを専門に扱うカルチャー・ツーリズムUKを設立。
現在は観光ガイドの他に毎月英国の観光、
文化に関してのオンライン・トークを実施している。
バッキンガム州で夫、愛犬の3人暮らし。
その他、雑誌や新聞に寄稿。著書に「小さな村を訪れる歓び」
「イギリス人は甘いのがお好き」がある。

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