世界遺産“ブレナヴォン”と、ウェールズの古城

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。


ロンドン在住のKeiji Hayashiさんから、世界遺産‟ブレナヴォン”と、ウェールズの古城の様子が届きました。

英国に、石炭と鉄鉱石で有名な世界遺産‟ブレナヴォン産業用地(Blaenavon)”があります。
19世紀の英国の産業革命をけん引した町で、世界最高水準の鉄工所がここにありました。
当時は住宅や学校など1万2千人以上の人が住んでいました。
ブレナヴォンには、観光地になっている‟ビッグピット(Big Pit)”という国立石炭博物館があります。
当時のままの状態で保管されており、エレベーターで下に降りて炭鉱労働者が働いていた場所を訪れることが出来ます。
ブレナヴォンがあるウェールズ地方は、宮崎駿監督のアニメ作品『天空の城ラピュタ』で大いに参考にされた場所と言われています。
主人公の少年は、炭鉱の町で働いていて、ヒロインが空から落ちてくるシーンは皆さんの記憶にもあるのではないでしょうか。
ビッグピットを思わせるシーンの他、ウェールズを模した風景も多くあります。
売店には作中で主人公の少年が使っていたのと同じ、ウェールズ炭鉱夫ランプ(Welsh Miners Lamps)も売っていました。
余談になりますが、このストーリーは、英国の作家ジョナサン・スウィフト(Jonathan Swift)の
ガリヴァー旅行記、第三篇 ラピュータ「空飛ぶ島」になぞらえていると言われています。
旅行記では、日本のはるか東にある島国バルニバービの首都で、国王の宮廷と記されています。

英国は18世紀の初頭に海洋国家として世界進出を進めていましたが、当時の日本は鎖国をしていて、宗教も違いヨーロッパが前提とする文明観、価値観を覆すような場所でした。
日本は、ラピュタ族のような異質の文化の国として考えられていたのかもしれませんね。
話はウェールズに戻って、ブレナヴォンから車で北へ30分移動すると、トレトウエル城(Tretower Castle)にたどり着きます。 
ウェールズには600を超える古城が存在しており、1平方マイルあたりの城の数が世界中でどの国よりも多いことで知られています。
なぜ城が多いのか?
イングランドとの抗争が、国境沿いで多くあったことがその理由として挙げられています。
トレトウエル城は、12世紀にロジャーピカード2世によって完成されました。
ウェールズにはこのような古城が数多く存在しますが、天気の良い日に地平線を眺めると、城が空に浮かぶように思えてきます。
ウェールズの地形は、なだらかな渓谷で、美しい風景が広がっています。
宮崎駿監督のインスピレーションを掻き立てたのは想像に難くないなと感じました。

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