みんなの社交場“パブ”と英国のお肉事情

今回のテーマは“英国パブに欠かせないお肉料理について”。
英国の食肉事情に精通し、生産者や企業を支える『AHDB(英国 農業・園芸開発委員会)』の方に、お話を伺いました。



英国パブを一言でいえば、多くの人々にとっての社交の場。
どんな町にもおいしい英国料理と地ビールが提供される、その土地ならではのパブがあります。
地域の企業やクラブがパブで会議を開いているのもよく目にする光景。
それ以外にも、町の行事を企画したり、仲間とスポーツについて語り合ったり、友人とおしゃべりしたり、パブには様々な人々を惹きつける魅力があるのです。
また、誕生日や結婚のパーティーなど、お祝いごとに利用されることも多く、英国の文化には欠かせないものになっています。
日曜日のランチには、肉と野菜のロースト料理を楽しむのが英国スタイル。
素敵なパブで家族や友人と集まり、ごちそうを囲む。英国の人たちはそんなひとときを大切にしています。

“パブ飯”で特に人気なのは、ステーキ&エールパイとシェパーズパイ。
たいていのパブは地元の食肉店から食材を仕入れており、どこで生産されたものなのかを把握しています。
英国の人たちはお肉へのこだわりが非常に強く、パブでは、味はもちろんのこと、品質やトレーサビリティにもこだわっているのです。
(左:ステーキ&エールパイ 右:シェパーズパイ)

英国産の食肉は、その味わいと高い品質で知られ、50ヵ国以上に輸出されています。
そのクオリティを守るため、厳しい基準を設けた“レッドトラクター”を制定。
英国肉製品の生産地が追跡可能であることと安全性を保証するための認証制度です。

英国の穏やかで湿潤な気候は牛や羊、山羊の飼育に適していて、動物たちは緑に囲まれた自然の中で放牧され、のびのびと育っています。
味や質の良い牛肉や羊肉を生産するために、様々な試行錯誤を繰り返し、たどり着いた飼育法です。
歴史的にみても、英国は動物福祉政策の先駆者であり続けてきました。
動物の福祉に関する人々の関心が高く、1822年、1911年、2006年の3度、畜産業の生産システムに関わる法律が制定されています。
また、ヘレフォード種、サウスデボン種、レッドポール種、アンガス種などの品種は、すべて英国が原産です。

今回は、そんな味と品質にこだわった英国産ビーフを使った「ポールズ・プロパー・ブリティッシュ・パイズ」のステーキ&エール・パイが『英国フェア』の会場に!
ぜひご賞味ください。

画像提供:AHDB
〈AHDB(英国 農業・園芸開発委員会)プロフィール〉
英国の農場経営者や生産者をはじめとする業界全体がグローバル市場に適応し、競争力と強靭性を高められるよう啓発活動を行っている団体。
その主な役割は、グローバル市場で消費者がどのような製品を信頼し購入するかを業界が理解し、提供できるようサポートすること。
また、市場開発、消費者への啓発、情報提供など、マーケティング活動にも取り組んでいる。

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