英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。
10月は、りんごの収穫をお祝いするお祭り「アップルデイ」について。
英国バッキンガムシャー州在住で英国政府公認ブルーバッチ観光ガイドの木島・タイヴァース・由美子さんにお話しいただきます。
それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!
英国には、「1日1個のりんごを食べれば医者はいらない。」という、ウェールズ由来のことわざがあります。りんごはお菓子にもよく使われていて、特にアップルパイやアップル・クランブル(りんごの上にぽろぽろと崩れるそぼろ状の生地をかけて焼いたもの)、アップル・シャーロット(甘く煮たりんごを食パンで包んで焼いたもの)など、りんごを使ったお菓子、デザートは数えきれません。
英国のりんごが特に美味しいと言われるのは、その気候にあるようです。
頻繁に降る雨はみずみずしさを、また寒い気温はカリッとした食感を、そして適度な太陽は独特の味を創り上げるそうで、一般家庭の庭でもりんごや梨の木をよく見かけます。
英国には約2,500種類のりんごが存在するということですから、英国の果物と言えば真っ先に頭に浮かぶのがりんご、というのも頷けます。
先日、近所に住む7歳と4歳の姉妹が「おばあちゃんの家の庭でりんご狩りをしたの。これ、どうぞ。」と大きな袋に入ったりんごを持ってきてくれました。
形が不ぞろいで、大きさもまちまちのりんごは「ブラムリー・アップル」という品種でした。そのままでは酸っぱくて食べられませんが、お菓子にすると適度な酸味と香りが出て、とても美味しい調理用の品種の代表です。