英国・クリスマスカードとチャリティ文化

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

12月は、「クリスマスカード」について。


英国バッキンガムシャー州在住で英国政府公認ブルーバッチ観光ガイドの木島・タイヴァース・由美子さんにお話いただきます。

〈前回の記事、【英国・1800~1900年代前半のクリスマスカード】はこちらから〉

それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!



ヴィクトリア&アルバート美術館の近くにある「メディチ・ギャラリー」は老舗のグリーティングカード専門店として知られています。もともとは、芸術家の優れた作品をカラー印刷して販売する「メディチ協会」として、1908年に始まりました。


写真:メディチ・ギャラリー

 © 2022 The Medici Society

写真:メディチ・ギャラリーのウィンドウには、カードの他、アドベントカレンダーもディスプレイされている。

 © 2022 The Medici Society

(アドベントカレンダーとは、12月1日からクリスマスまでの期間に、カレンダーについている窓を毎日1つずつ開けていくもの。クリスマスを楽しみにする気持ちが表れている。)


写真:メディチ協会が販売しているクリスマスカード。(4種類×各5枚のセット)

 © 2022 The Medici Society


チャリティ活動が盛んになるこの時期、チャリティのためのクリスマスカードも人気です。

カードを売った収益金がチャリティに寄付されます。


写真:犬の保護団体「ドッグズ・トラスト」のチャリティ・カード

 © Dogs Trust 2022

写真:全英児童虐待防止協会(National Society for the Prevention of Cruelty to Children)

 © 2022 NSPCC


また環境に関心が集まっている近年は、ユニークなカードも出てきました。

「ワン・ツリー・カード(1 Tree Cards)」では、カードを1枚買うことで木が1本植えられ、さらに受粉に必要な蜂を呼び寄せるための種が付いています。

紙やインクも環境に配慮した材料が使用されていて、環境問題に関心のある人々に人気です。

これまでの4年間で34万本の木を植え、多くのアワードを獲得しました。


写真:1枚のカードを買うことで木が1本植えられ、蜂を呼び寄せる植物の種が入っていることを説明するイラスト。

© 1 Tree Cards Ltd. 2022


写真:1本の木が植えられたことを示すカード。

© 1 Tree Cards Ltd. 2022


写真:カードに挟まれた花の種は、嬉しいサプライズ。

© 1 Tree Cards Ltd. 2022


受け取ったクリスマスカードは暖炉の上や階段、窓などに飾ります。

写真:暖炉に飾られたクリスマスカード

Home My Design © 2022


家族や親しい人へのカードはもちろん、遠く離れた人にカードを通して1年に1度連絡し合うことは、多くの人にとって大切な習慣となっています。



<木島・タイヴァース・由美子 プロフィール紹介>

英国政府公認ガイドとして30年以上にわたって英国全土の観光案内をする。

2015年に英国の文化に特化したツアーの企画、

アドバイスを専門に扱うカルチャー・ツーリズムUKを設立。

現在は観光ガイドの他に毎月英国の観光、

文化に関してのオンライン・トークを実施している。

バッキンガム州で夫、愛犬の3人暮らし。

その他、雑誌や新聞に寄稿。著書に「小さな村を訪れる歓び」

「イギリス人は甘いのがお好き」がある。

カルチャー・ツーリズムUKのホームページを見る


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