写真:小売店に出荷する際の箱にも100%ホールリーフを使っていることが記されている。
フィルさん:2つ目は偶然の結果なのですが、コロナのパンデミックで、オンラインの販売が伸びたことです。多くの小さな規模の業者は、どこかの過程で他の業者に作業を依頼しています。ところが私たちは、テイスティング、ブレンド、パッキング、発送を全て私たちがしていますので、作業を中断することなくビジネスが続けられたのです。
3つ目は、短期間に利益を上げようとしなかったことだと思います。そして機械などに投資をする際は、万が一失敗したとしても大きな影響が出ない程度に投資します。もしその年に投資ができなくても翌年があります。大きなリスクは負わないことが大切です。
4つ目に、実は私たちにとってはとても大切なことなのですが、全ての人の幸せを考えます。「良い会社でありたい。」といつも思っています。働く人もハッピーに働いてもらいたい、サプライヤーにもクライアントにもハッピーでいて欲しい。
もっと広く考えれば、世界中の人の幸せです。そのためには地球環境も考えなければいけません。そのため同じ考えを持つクライアントとの絆を大切にし、パーソナルなビジネスをいつも心がけてきました。
木島:英国の新聞、ウェブサイトは「ブリュー ティー カンパニー」が環境問題に真剣に取り組んでいることを取り上げています。いつ頃から環境を重視したビジネスにしたいと思われたのですか?
フィルさん:ティーバーを経営していたとき、一日に出るゴミの量がとてつもなく多くて、とても気になりました。我々のような小さなお店でもそうなのですから、全国のティーショップ、コーヒーショップから出るゴミは莫大な量になるはずです。そのことがいつも念頭にありました。
木島:お茶の卸業を始めてからはどうですか?
フィルさん:2017年にテレビで『ブルー・プラネットⅡ』(※)をご覧になったお客様から多くの質問が寄せられました。つまり、「ブリュー ティー カンパニー」の商品はプラスチックを使っているかと言う質問です。私たちは直ちにプラスチックを使わずに商品を製造することを考え始めました。
(※ 『ブルー・プラネット』とは、英国国営放送のBBCが4年以上の月日を費やして39カ国で撮影され、2017年に放送された海洋生物に関するドキュメンタリー番組。6000時間以上を海中で撮影、世界の30カ国以上で放送され、大反響を巻き起こした。このドキュメンタリーによって海洋生物に影響を与えている環境問題、特にプラスチック汚染に関する国民の関心が更に高まった。)
フィルさん:それからと言うもの、リサーチに真剣に取り組み、まず私たちの要求を受けてくれるサプライヤーを見つけ、交渉に入りました。
つまり、お茶の質を低下させないで、しかもプラスチックを使わない商品を作ることに努めたのです。現在はほとんどの商品がプラスチックフリーになっています。いずれはここで扱う全ての商品からプラスチックを取り除き、環境にフレンドリーな商品を作ることを目指すつもりです
例えばティーバッグ。袋の製造時点でプラスチックが使われているわけです。つまりナイロンです。
そこでナイロンを使わずにコーンスターチで出来たメッシュの「ソイロン(Soilon)」というものを使うことにしました。