◎4月9日(水)〜4月22日(火)
◎11F きもの売場 コトコトステージ113
移ろいゆく時間(とき)の流れ そして 美しい日本の心
日本の鎧は、単なる武具ではなく、人々の祈りや慶びを象徴する存在です。
また、その想いと形は、室礼や儀式として具現化され、後世へと受け継がれてきました。
平安期・王朝文化としての鎧にこだわり、
その美意識と世界観が大きな魅力である有職御鎧司・明珍阿古。
本展「PORTE BONHEUR 幸運のお守り」では、
穏やかな愛につつまれた「幸せ」をテーマとした作品たちが並びます。
王朝文化の中で育まれ、受け継がれてきた伝統技法をご覧ください。
貴族と鎧の関係は深い。
後白河院の御所として用いられた法住寺殿の跡から発掘された
雲龍紋を施した鍬形、小札の大きい「大荒目の鎧」などがあります。
威毛の華麗な色彩感や絵革の文様、金物の意匠や造形など、
大鎧は王朝文化の美意識が表現されています。
大鎧の肩上に吊り下げた左右の大袖は、
手盾のようにあてて飛来する矢を防ぐのに用いられ、
特に射かけてくる左方の射向の袖(射向板)に重点が置かれ、
伝統的な手法が凝縮されており、装飾的にも価値も高く、
数百種の威し方が残っています。
自身を守る重要な部分であることから、大切にされました。
射向板のみで大鎧の全容を伺えることができます。