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海と山に囲まれ、ゆったりとした時間が流れる葉山町。鳥のさえずりを聴きながら美しい海を眺めると、ヨットやボート、ウィンドサーフィンなどマリンスポーツを楽しむ人々の姿が見られます。快晴の日は海の向こうに富士山も望める、そんな自然豊かな葉山町で、『デザイナー 杉本伸子』はファッションブランド「HAYAMA SUNDAY(ハヤマサンデー)」を立ち上げ、生活の中で得たインスピレーションをもとにシンプルで上質なリゾートウェアを発信し続けています。
6月14日(水)から、6階 コトコトステージ61にて開催する“SUNDAY COLORS…Blue & Green & The sun” のイベントは、「ハヤマサンデー」の原点回帰をコンセプトとしています。葉山の地で“ハヤマサンデーフラッグショップ”が創業を開始して10年目を迎える今年、『デザイナー 杉本伸子』が葉山に移り住んだ当時に感じた感覚をもう一度コレクションに込めました。
今回は、イベントに際し『デザイナー 杉本伸子』のスペシャルインタビューをお届けいたします。
◆小さい頃の夢は、デザイナーかパン屋さん..
私は1961年に、東京で生まれました。私が幼いころは高度経済成長のさなかで、両親が営む縫製工場が大きくなっていき、そこで働くおしゃれな女工さん達に刺激を受けながら育ちました。また、縫製工場では生地も扱っていたので、たくさんの生地の中で暮らしていたという感じで..こんな環境で育った影響か、小さい頃の夢は、デザイナーかパン屋さんでした。
ずっと夢を追いかけながら学生時代を過ごし、高校を卒業したあと文化服装学院という専門学校に進みました。
当時ちょうどアパレルデザイン科から新しくファッション工科アパレルデザイン科というより専門性の高いコースができたばかりで、私はそのコースの一期生となりました。
進学後、1年間はすべての基礎となるパターンや染織の技法など色々なことを実戦で学び、2年目から本格的にデザイナーのコースを選んで勉強、その後社会人になりました。
◆海の近くに住みたいな、一度くらい叶えたいな、なんて思って。
社会人になりデザイナーとして最後に勤めていた会社で、ブランドの立ち上げなども経験。そして、その会社で主人と出会います。
縁があって結婚し、それを機に会社を退職しました。
当時は東京の自由が丘に住んでいましたが、そのタイミングで色々な変化があり、年齢も40近かったですし、ちょうど“スコン”と人生が空いた時期で、「海の近くに住みたいなぁ」、「一度くらい叶えたいなぁ」と考えていたときに、ご縁もあって葉山に移りました。
◆サラリーマンデザイナーを辞めて「ハヤマサンデー」を立ち上げて
葉山に移ってからも、大手のアパレル会社に呼ばれてデザイナーをしていました。葉山に移ってすぐ「ハヤマサンデー」を始めたわけではないんです。
でも、葉山に住んでいると東京に住んでいたときとはライフスタイルが全く違い、不思議と服が変わりました。東京では有名なデザイナーのブランドの洋服を着ていたりもしましたけど、ここではそういう服が合わなくなってきて。
それで、自分のデザイナー人生を振り返り、会社を辞めるきっかけもあって、サラリーマンを辞めることにしました。
せっかく葉山にいる。だったら、自分で着たい服を作ってもいいんじゃないかなと思って。
そして、「ハヤマサンデー」を立ち上げたのが2006年。もう17年前のことですね。
葉山は、作家やアーティスト、私たちのように洋服を作っている人たちがたくさん住んでいるので、町自体がとても文化的。村おこしの一環として開催されている“葉山芸術祭”というイベントに、作りたかった洋服を作り自宅のリビングを開放し、出店してみたのがブランドの始まりです。
◆葉山に移り住んだら犬を飼いたい..
東京では、なかなか犬を飼えなかったので、葉山に移ったら飼いたいとずっと思っていました。
飼うなら大型犬がほしい。主人も飼うならおしゃれな色が良いと言って、チョコレート色のラブラドールを飼いはじめました。
名前はSUNDAY(サンデー)。
私たちの暮らす葉山は、太陽が燦々としていて、いい意味で能天気な町なので、太陽・海・日曜日という意味を名前に込めました。
それがブランド立ち上げの時期と重なって、ブランド名にも“SUNDAY”をつけたいと思い、ベタですけど“葉山の日曜日”という意味で「HAYAMA SUNDAY」と名付けました。
ブランドをスタートした頃は、アトリエショップのようにコツコツと販売していました。そのうちにだんだんお客様が増え、商品をちょっとだけ葉山のセレクトショップに置いてもらえるようになり、初めて鎌倉のギャラリーで個展をやったんですね。で、その時のお客様の反応がとっても良かったので、あ! なんか自信を持ってもうちょっとやっちゃってもいいのかなと思って。
2、3回個展を開催した頃、家を引っ越すタイミングと、ブランドの直営店がほしいと思っている時期が重なり、今暮らしている家が見つかって、リノベーションしてお店に変えました。
“ハヤマサンデーショップ”としては第一号。それが今年で10年になるんですよ。記念すべき10周年。なんか重なって面白いんですけど。
ここに移ってから、いろんなことがスムーズに動き出しました。
まずは雑誌の4ページにわたる大きな“夢を叶えた女たち”の特集で、4〜5名の方と一緒に掲載され、それをきっかけにモノづくりの書籍を出版することになったり、少しずついろんな雑誌媒体に出られるようになり、イベント開催のお話しもいただけるようになったりと。
◆関西ではゼロからのスタート。阪急うめだ本店で巡り合った関西のお客様。
阪急うめだ本店でのイベント開催も今年で6年目になります。
関西と関東、どちらのお客様もいいところがたくさんありますけど、私が東京の下町生まれだからか、関西のお客様は話しやすいというか、お客様が話を盛り上げてくれるんです。イベントは、いつもお客様が会場を盛り上げてくださっています。
「ハヤマサンデー」はもともと関西にはお客様がいなかったので、本当にゼロからのスタートでした。阪急うめだ本店との6年間の歴史で出会ってきたお客様が、今はお仕事での東京出張を兼ねて“ハヤマサンデーフラッグショップ”まで来てくださったり、関西からわざわざ車で来てくださったり、そういったところに関西のパワーをすごく感じます。
「ハヤマサンデー」のお客様は自分自身を持っているお客様がとても多くて、はっきりと自分の好みをわかっていらっしゃるので、私も刺激を受けます。
たくさんブランドがある中で、そのようなお客様に「ハヤマサンデー」を選んでいただいていることがとても嬉しいですし、本当にデザイナー冥利に尽きます。
また、イベント会場で洋服を選び、試着室で新しい洋服に着替えて出てくるときのお客様のお顔は、ご来店直後のお顔とは全く違っていて、この瞬間のお顔を見ることも私の喜びの一つです。『女性をきれいにする仕事をしている』、手前味噌ですけれど、いい仕事をさせてもらっているなと感じます。
◆「ハヤマサンデー」の新しい可能性とイベントについて
今回のイベントでは海や水、地球のイメージカラーでもある青を藍染で表現
藍染はもともと「ハヤマサンデー」で扱っているベルギーリネンの色味と重なるイメージがあり、色落ちの問題もあってなかなか手が出せずにいました。藍染は本来色落ちするものですが、いくら色がかっこよくても色が落ちて白いソファについちゃいました、というわけにはいかないですから。
阪急うめだ本店から藍染のお話をいただいた時も、色落ちのデメリットが大きいことと、やるなら偽物を使いたくないという思いで葛藤して..
主人が現在、繊維商社に勤めているので、生地に関して相談していたら、今回とてもいい生地が見つかったんです。
本当にタイムリーで、もともと扱っているリネンの色味とも重ならないし、この生地があるなら藍染をラインアップしようって。
簡単に言うとリネンの生地を2回染めています。1回目は藍染風の色落ちしにくい染料、2回目は藍染め。2回目は藍染めなので少しだけ色落ちがありますが、そのあとは長く “The インディゴ!” という感じのカラーを楽しめます。
その生地を洋服にしてみたら、(ブランドに)結構インディゴ合う! って思いました。阪急うめだ本店からの企画のおかげで新しい可能性が生まれて、これからも定番で扱っていこうかなって考えています。やってみて良かったです。
今回の商品でインディゴに対するお客様の印象も変わるかなぁ?と反応がちょっと楽しみです。
今日着ているのは今年新しくできあがったジャンプスーツ※なんですけれど、実験的に作ってみたら即売れてしまって。着心地もいいので、大人のジャンプスーツとしておすすめです。こちらと、ブランドらしいサマードレスや、セットアップなど、アイテムを増やしてやっていこうと思っています。
※ページ1枚目の写真で着用。
今度のイベントでは赤い壁の前にどーんとブルーの塊(コレクション)を置いて、“葉山の夏”を演出します。
インディゴだけだとちょっと重いので、サンデー柄のブルーも加え、新しく作ったニット素材のロングジレや、イベント用に作ったブルーの褪せた色味のTシャツも仲間に入れました。定番のブラックスウォッチや、ベルギーリネンのダークグレーをベースにターコイズなどをきれいなブルーとして入れると素敵かなと思っています。
これがイベントのイメージです。
◆思い入れがある生地ばかりだから、とにかく捨てたくないんです。
「ハヤマサンデー」は初めの頃からサステナブルだったかもしれません。ブランドが小さいという事もあり、極力在庫を持たないもの作りをしています。全部販売できればいいのですが、作りすぎて売れなければ処分しないといけないのでそれを避ける為に少量ずつ作っています。あとは無駄を出さないもの作り。
「ハヤマサンデー」はメイン商品が一番サステナブルな商品だと思って販売しています。私たちがメインとして扱っているベルギーリネンは通常50mで1反なのですが、半分の25m巻きを使っています。生地を染める時も小さい窯で染めて無駄を出さないというやり方。ブランドを始めたときからずっとこのやり方で商品づくりをしています。
加えて、洋服を作った後の残反をなるべく出さないようにしており、オリジナルのバッグや小物を作り、トータルで生地を使い切れるように工夫しています。これはサステナブルという意味もありますけれど、「ハヤマサンデー」で扱う生地はとにかく思い入れがある生地ばかりなので、どれも捨てたくないという思いが強くあるからです。
あとは、ブランドが立ち上がってもう17年、セールをしないと決めています。私たち夫婦は大手アパレル会社に勤めていたので、せっかく頑張って作ったのに半年でセールという事も経験しています。自分たちでブランドをやるならシーズンに合わせなくても、作ったものを長く着ていただきたいなぁと思って。
◆鎌倉・葉山の作家仲間たち
毎年、阪急うめだ本店で開催しているイベントは、「ハヤマサンデー」プラス鎌倉・葉山の地域の作家さんたちと仲間になって出店しています。作家さんから色々なものを借りたり、オリジナルを作ってもらったりしてひとつの世界を作っているのですが、仲間たちも同じ考えでお互いに影響を受けています。
今回は“ビーチ”というイメージにも合う可愛いアイテムを新しく出そうと思っています。
捨てられそうなカップなどに絵を描いて生まれ変わらせるという活動をずっとされている人気の作家さんに、「ハヤマサンデー」のマークを入れてもらったオリジナル商品は、いろんな形、アイテムがありますが、この作家さんの一番の目的は、捨てられそうになっているもう使わなくなったものに絵をかいて生まれ変わらせるということ。
その他にも、インドネシアで作られているカラフルで可愛いバッグ。こちらは、バッグ屋さんがインドネシアの自然を守る活動や雇用を作ったりする活動をされているんです。
インドネシアは伐採が進んでしまって、温暖化の原因の一つになっています。この商品は再生プラスチックで作ったバッグなのですが、これを1つ買うごとにインドネシアに1本の木が植えられるんです。バッグにはタグがついていて、シリアルナンバーが彫ってあります。植えられる木にもシリアルナンバーが入るので、自分の木がどれなのかわかるのも面白いポイントです。
寄付をするのはなかなか重たいイメージですけれど、このバッグ屋さんはバッグを買うことによって1本ずつ木を植えるという気軽で地道な活動をもう長く続けられています。
今回はそのバッグに「ハヤマサンデー」のマークをアーティストの方に入れてもらい、オリジナルを作りました。
新しい仲間たちと、こういった活動全体を盛り上げて行きたいなと思っています。
とても可愛い商品ばかりなので、会場でお客様にご提案できるのを楽しみにしています。
今回、“ハヤマサンデーフラッグショップ” オープン10周年を記念してサンデーマークが入ったエコバッグをご用意しています。会場にて税込3,000円以上お買上げの方に数量限定でプレゼントさせていただきます。(なくなり次第終了となります。)
※“ハヤマサンデーフラッグショップ”はオープン10周年を機に“HAYASUN HONTEN(ハヤサン 本店)”と名称が変わります。
■SUNDAY COLORS …Blue & Green & The sun
「HAYAMA SUNDAY」
◎6月14日(水)~30日(金)
◎6 階 コトコトステージ61
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