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【内田祐子 ふわはね絵本のお部屋】
西宮阪急は今月開店14周年を迎えました。
それにちなみ、西宮阪急4階絵本売場では「いわむらかずお絵本フェア」が開催されていました。
世界中の子どもたちに愛されている超ロングセラー絵本『14ひきのシリーズ』のいわむらかずおさん。
今回はその中から、少し気が早いですが年越しの準備のこの一冊。
『14ひきのもちつき』をご紹介します。
『14ひきのおもちつき』/いわむらかずお(作)/童心社
子どもたちが小さい頃は自治会のお餅つきに毎年子供会で参加していました。
蒸しあがったもち米を臼にあげ、お米が飛ばないようにぐっぐっぐっとよくねって。
さぁ、お餅つきの始まりです。
ペッタンペッタン コネコネ
ペッタンペッタン コネコネ
みんなも大きな声で応援です。
ペッターンペッタン!
ペッターンペッタン!
杵を振り上げお米を付く音。
勢い余って飛び散るおもち。
応援の声。歓声。
蒸したてのもち米のにおい。
つきたてのお餅をちぎる時の伸びることのびること。
柔らかく温かいおもち。
おもちつきは五感を刺激します。
きな粉や大根おろしをつけていただいた、つきたてのおもちは本当に美味しかった!
さぁ、今回はこちらの絵本をご紹介します。
30年以上続く14ひきシリーズ12作品の中では一番新しい作品になります。
14ひきの魅力は何より、日本の原風景。
自然と共存し家族が助け合い自分の役割を持ち、生きるための生活をしている。
14ひきの世界そのままの里山で暮らす、いわむらかずおさんだからこそ描ける世界。
薪割りをするお父さん。かまどに火をいれたおじいさん。お米の水をきるおばあさん。せいろにいれてるさっちゃん。杵を運んできたごうくんたち。
臼を転がしてきたお父さん。おじいさんが藁で座布団を作り準備OK!
さぁ、おもちつきの始まりです。
家族総出でぺったん とったん ぺったん とったん。。
14ひきならではの絵と字の分離が、更に絵本の世界に引き込まれて行くように感じます。
そして小さな虫を見つけたり、14ひきの兄弟間の関係や微妙な心の動きを読み取ったり隅々まで見逃したくないのが、このシリーズの魅力のひとつ。
そしてそしてやっぱり忘れてはならない食事のシーン。
家族みんなで、ついたおもちを囲むページは私も子供に混じってつい手を伸ばしたくなります。
静かに穏やかに過ぎる14ひきたちの一日。
「ゆきが ふってきた。
かたづけも おわった しずかな もり。
もうすぐ おしょうがつ うれしいな。」
…と終わるこの絵本。
こんな風に静かにゆっくりと新しい一年を迎えたい。
この絵本を読むといつも思います。
憧れの14ひきたちの暮らし。
年末になると読みたくなる絵本です。
<プロフィール>
絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持されフォロワーが15,000人を超える。
毎日の絵本と言葉、月の満ち欠けが描かれた2022年4月始まりの日めくりカレンダーをニジノ絵本屋より出版。
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