◎4F
【内田祐子 ふわはね絵本のお部屋】
立春もすぎ少しずつ季節は春へと向かっていますが、まだまだ寒さも残る季節。
私立高校受験や大学の一般入試の発表など、自分が歩み進むべき道が少しずつ決まりつつある。
そんな時期にこんな絵本はどうでしょうか。
作/三浦 太郎
『みち』/あすなろ書房
それはこんな始まり....
あぜみち こみち さんぽみち
ときどき さかみち
くだりみち
(p2-7本文引用)
でこぼこみちに
まよいみち…
こんなにもたくさん道に名前があることに驚きと感動が入り混じります。
読む前から気になっていた絵本は、読み終わった後に私の大切な一冊になりました。
社会人になりたての頃。営業車で営業を回る日々。
まだカーナビなんてなくて、ひざに地図を広げて、行く方向に向かってぐるぐる回しながら走らせた。迷いまくりで、「もう嫌だー」となった時に先輩に言われた言葉。
「道は絶対繋がってるから大丈夫」って。
この絵本を読んでいるとそんなことを思い出しました。
表紙から裏表紙までずっと続く道。そしてまた表紙へとつながる。
そこを歩く男の子と女の子。そして犬。
どこかレトロな絵が、ちょっぴり懐かしさも感じ、いろいろな道を歩いてきた自分、そしてこれから自分の道を切り開いていくであろう子どもたちに届けたくなる。
実はこの絵本、今年成人式だった長女に贈った絵本でした。
これからだって。いろんなことがきっとある。
「わきみち ろじうら まよいみち とおりみちには とうせんぼ
つかれたら ちょっと よりみち」
そんな絵本の言葉が心を休め、そして背中を押してくれる。
道がなければ作ればいい。
ひとりじゃない。
ゆっくりでいい。
あなたの道を進んで欲しいという想いを込めて。
これからの時期の小学校高学年、中学生への読み聞かせにもいいですね。
短い言葉の中に想いを込めて。
今回のご紹介は『みち』でした。
<プロフィール>絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持されフォロワーが15,000人を超える。
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