◎1F
爽やかな春の陽気に足取りも軽くなります。
花粉症の方はとても辛そうですが…随分と温かく、日中は上着を脱いで片手に持ち歩く日も増えました。
4月に向けて新しい生活のご準備を始められている方、また春からお弁当作りがスタートされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
紫キャベツ、赤キャベツやレッドキャベツとも呼ばれています。巻きはしっかりとしていて、肉厚な葉は少し固めで噛み応えがあります。
やはり、目に止まるのは天然着色料の原料にも使われるこの紫色です。
色素はアントシアニンによるもので、酸を加えるといっそう鮮やかに発色しお皿の中を彩り豊かにしてくれます。
さて、お弁当の一品にも大活躍!の「発酵保存食」に挑戦してみませんか。
紫キャベツが乳酸発酵し色鮮やかに変化していく様子は楽しいものです。
気温が高すぎる夏は発酵のスピードが早く、うっかり油断をすると過発酵になったり…
逆に寒い冬はなかなか発酵が進まなかったり、暖房が入り保管場所の温度が安定しない等、未だぬか漬けも一年のどこかでダメなることが多く、このザワークラウトも多々失敗してきました。
が、保存袋で作る方法ははじめての方でも手軽に取り入れてもらいやすく、春は発酵がスムーズに進み失敗も少なく作れる季節ではないかと思っています。
ザワークラウト
(材料)
◆紫キャベツ・・500g
(紫キャベツにグリーンボールや冬キャベツを足しても紫色に染まります)
(外葉と芯は漬かるスピードが変わるので除いた方が良いです)
◆塩・・10g(重量の2%)
◆黒粒こしょう、ローリエ・・適宜
◆用意するもの・・保存袋
(作り方)
①キャベツを洗って水気をしっかりとふき取りせん切りにする。
(巻きがしっかりとしたキャベツの葉を一枚一枚はがしたい時は、下部1/4程を切ると外しやすいです。もちろん、切り落とした部分もせん切りサラダやスープ、フリット等で召し上がって下さいね。)
②保存袋にキャベツを入れ分量の塩を加え、下から持ち上げるように手を使って全体をまぜた後、しんなりするまでもみ込む。黒粒こしょうやローリエを入れる(好みで)。
③空気を抜きながら保存袋の封を閉じ、バットやボウル等を重ね鍋などで重しをする。
④2日に一度くらい袋の封を開け、保存袋の外から軽くもみ、③と同じように空気を抜いて封を閉じ、バットを重ねて重しをする。1週間から10日ほどで完成。
日ごとにキャベツから水分が出て、袋を開けた時に乳酸発酵している心地の良い酸っぱい香りがしてきます。また、同時に乳酸で紫キャベツの色が鮮やかに変化してくるので順調に発酵が進んでいることが目でも分かりやすいと思います。
今の季節であれば1週間程で完成します。
味見をして、もう少し酸味が欲しいようでしたら後2~3日同様の手順で発酵を進めて下さい。完成後は冷蔵庫保存にて3ケ月ほどはもちます。
少しずつ以前の日常に戻りつつある予感♪お花見も楽しめそうですね。
新しい春のはじまりです。
準備のひとつに手軽にはじめられる発酵保存食づくりもはじめてみませんか。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。