◎1F
夜明けが早くなってきました。
梅の花もそろそろ満開。
淡く優しい色に染まる風景に、色とりどりの花咲く春の訪れもいよいよですね。
店頭でも賑わいを見せる春野菜。
黄色い花を咲かせるアブラナ科の野菜「菜花」。
小松菜、水菜、白菜、青梗菜、大根など開花する前の蕾や葉、茎を摘み取ったもので、
それぞれの品種でそれぞれの風味が楽しめます。
春が近づくと多くのアブラナ科の野菜は花を咲かせ種を残す準備に入るので、蕾には素晴らしいエネルギーと栄養が詰まっています。
菜の花に含まれるビタミンC、葉酸は野菜の中でもトップクラス。
カロテン、ビタミンB群、カルシウムなども豊富に含み、デトックスや代謝をサポートしてくれる機能性成分の働きに期待も多い野菜です。
お気に入り菜花のひとつ、赤紫色をした紅菜苔です。茎に微かなぬめりと程よく残る歯触りの心地良さが魅力です。
茹でると緑色へと退色するので、高温の油でさっと炒めると甘さが濃くなり見た目の美味しさも活きます。
他菜の花も油との相性が良く、ほろ苦さをまろやかにコーティングをしてくれるので柔らかいものは多目の油で炒め調理もオススメです。
蕾の状態が美味しいので、早目に頂きたい菜花ですが冷蔵庫で立てて保存しておくと比較的蕾の状態を保てます。
水を吸うと花が開くので、シャキッとさせるために冷水に浸す時間は調理するタイミングに合わると良いです。
敢えて、時に数本花を咲かせるだけで料理に彩りを添えてくれる存在へと表情が一変。
これも菜花の楽しさの一つだと思っています♪
さて、今年初めて出会った「ケロッコ」という名の野菜。
ケールとブロッコリーから誕生した新顔野菜です。
既に見たこともある「アレッタ」もケロッコ同様、ケールとブロッコリーの交配された先輩野菜となります。
因みにケール×芽キャベツから誕生のプチヴェール。
何れも含まれるビタミン類はとても豊富です。
苦味もないので、蒸し焼きや、ソテー、茹でて和え物、お浸し等で使いやすい野菜です。
菜の花をはじめ、プチヴェール、芽キャベツを多めの油で蒸し焼きにし塩、こしょうをします。
半熟の薄焼きオムレツの上にたっぷりのせれば、春野菜の散らしオムレツの完成です。
卵と絡めて頂きます。
さぁ、春野菜のエネルギーを取り入れ少しずつ身体も春へシフトしていきましょう♪
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。