◎1F
朝から危険な暑さの中での高校球児の懸命さに心打たれ、いちじく、梨、と店頭並ぶ果実を目にし、来る季節の喜びを感じる8月です。
台風の進路が心配の週となりそうです。
影響が少ないこと祈るばかりです。
モロヘイヤ
モロヘイヤのスープを飲み、王様の重い病が治ったという伝説から中東では王様の野菜として有名。
語源もアラビア語でムルキーヤ(王様の野菜)で今や日本でもお馴染み夏野菜のモロヘイヤ。
この酷暑で夏野菜も夏バテをしている中でも元気に育っています。
食品成分表で比較しても、他緑黄色野菜の中でも含まれるカロテンの量は断トツトップ。
それだけでなく他植物性食品に含まれるカルシウム、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維も圧倒的な多さです。
ネバネバ野菜のモロヘイヤ、オクラ、ヤマイモ等の独特のネバネバが粘膜を保護。
胃腸の調子を整え、エネルギー代謝に役立つビタミンB群も多いので、疲労回復にも期待のスタミナ野菜として知られます。
ほんのり粘りのある野菜は、包丁で刻むだけでも粘りが出てきますが加熱することで、ネバネバ力がアップ。
モロヘイヤは全くクセがないので直接お味噌汁やスープ、お浸しなどに加えるだけでも栄養が溶け出たとろみのある美味しい一品になります。
油との調理もオススメなのでかき揚げやチヂミなども◎。
モロヘイヤの茎は硬いので、茎から葉を摘み取って別々に調理する方が良いです。
加熱後、叩くように刻むと一層強い粘りになります。
私はより強い粘りを出すためさっと茹でてミキサーにかけ、強いネバネバを手軽に楽しんでいます。
団子が作れる程のモロヘイヤの粘り気を活かした、“簡単!即席のお吸い物”をご紹介します。
モロヘイヤは一人1袋計算ですが、2~3袋分が作りやすいと思います。
即席モロヘイヤ団子お吸い物
葉を摘み取り、サッと葉を茹で冷水にとります。
冷水からあげ軽く水分が残ったままミキサーにかけると回しやすいですが、回らなければ水(または出汁)を足しながら回します。(包丁で叩く時は水気を軽く絞って下さい。)
形を整えやすくするために、スプーンを濡らし、ミキサーにかけた(または細かく叩いた)モロヘイヤを団子状に丸め碗に入れます。
梅干し、とろろ昆布(またはかつおぶし)、薄口しょうゆ少々を加えます。
あれば、スダチや柚子皮を削ると一層香りが爽やかです。
食卓に並べてから、温めた出汁または湯を注ぎ完成です!
出汁はより美味しく仕上がりますが、とろろ昆布やかつおぶしだけでも簡単に優しいお吸い物に!
めんつゆを注いでモロヘイヤ麺つゆとして、ぶっかけ素麺にするのもオススメです。
残暑も夏バテ知らずのモロヘイヤ、ネバネバ野菜で乗り越えましょう!
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。