2023.9.5
◎1F
日中の暑さはまだ残りますが、朝晩の風は心ばかり季節の歩みを感じ始めました。
新学期もスタートしホッとした疲れも出やすい頃かとも存じます。
心地よい季節までもうひと踏ん張りですね。
ところで、徳島県はレンコンの三大産地のひとつです。
特に鳴門市で栽培されている「コウノトリれんこん」はご存知でしょうか。
昨年、このレンコンについて初めて学ぶ機会に参加させて頂きました。
多くの人がご存知のようにコウノトリといえば、兵庫県の豊岡市が挙げられます。
その豊岡から鳴門市へと飛来した２羽のコウノトリが電柱で巣を築き、但馬以外で初めて3羽の雛を自然に育て皆に見守られながら巣立ったという話は興味深いものでした。
その後も続けて産卵し雛が巣立ったそう。今年も、３羽の雛が無事巣立つニュースを見ました。
コウノトリは肉食性で、レンコン畑に生息するフナ、ドジョウやザリガニ、昆虫、さらにはウシガエルやカメなども食べるそう。
これらの生物はレンコンにとっては害獣としてレンコンに影響を及ぼすことがあるのですが、コウノトリが畑に舞い降りて食べてくれることは食物連鎖の一環となります。
長年、農薬の使用を極力減らし環境に優しい農業でのレンコン作りをされていた中で、このコウノトリの存在が、更に水生生物が豊かな環境とコウノトリが棲みやすい共生を目指すことを優先とした取り組みが始まり「コウノトリれんこん」が誕生したそうです。
シャキシャキ、サクサク、ほくっ、もちっ。
調理や切り方により様々な食感を楽しませてくれるのも魅力なレンコンは秋から冬にかけて盛りを迎えます。
地域や環境、品種によっても時期が少しずつ違いますが、盛りより早く収穫したのが新レンコンです。
コウノトリれんこんも収穫の時期を迎えるそうです。
レンコンは熱に強いビタミンCが豊富に含まれています。また、ポリフェノールの一種のタンニンは細菌やウィルスに強いからだを作るのに役立つと期待されています。
代謝を促し疲労回復にも役立つビタミンB群も含まれています。
秋の味覚である椎茸と組み合わせて、レンコンのシャキシャキとした食感を楽しむ焼売を作りました。
レンジで加熱するだけで簡単に作れるのでお弁当のおかずにもピッタリです。
鶏ひき肉にレンコンは粗みじん切りとすりおろしの形で加えます。しいたけの軸も刻み加えます。
あればしょうがやたまねぎのみじん切りを加え、酒、薄口しょうゆで味付けをします。
その後、しいたけの上に肉だねをのせてラップをして電子レンジで加熱、または蒸せば完成です。
ちなみに、レンコン一節を皮ごとホイルで包みオーブンで45分間程蒸し焼きにすると、糸をひくむっちりとした深みのある食味を楽しめます。
この方法で調理したレンコンを厚切りにしたレンコンステーキはとっても美味しく頂けます。
オーブン料理をする際、メインや副菜としてオススメです。
さぁ、９月９日は重陽の節句です。
季節の変わり目と健康や長寿を祈願する時期、食を通して身体も秋モードに
切り替えていきたいですね。
＜プロフィール＞
伊藤 由香 （いとう ゆか）
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。