◎1F
売場ニュース
天高く、青空が広がるこの頃。金木犀の香りをのせた心地よい秋風が吹き
実りの季節を感じます。
先日、私の父が植えた落花生を収穫してきました。父が家庭菜園を始めてから17年。
私もその頃野菜ソムリエの資格を取得。落花生の成長を興味深く見守り、収穫したばかりの「おおまさり」の新鮮な味に感動してきました。
しかし、今年がおそらく落花生の最後の収穫となりそうです。
数年おおまさりの苗が手に入らず半立種の栽培が続いていましたが、今年久々に食べたおおまさりは、大粒で優しくも力強い甘味が感じられました。
落花生、またの名を南京豆(ナンキンマメ)。
木の実や種子であるアーモンド(バラ科)やクルミ(クルミ科)またカシューナッツ(ウルシ科)とは違い、実はマメ科の植物です。
夏に小さな蝶々のような黄色の花を咲かせ、その後、子房柄がすーっと土の中に伸び、土の中で豆が成長します。
名前もその成長過程が由来です。
落花生には、たんぱく質や脂質の代謝をサポートするビタミンB群、食物繊維に抗酸化作用の期待されるビタミンEが豊富に含まれています。
ピーナッツオイルやピーナッツバターの原料としても使われることからも分かるように、脂質も多く含む食材。
しかしその脂質は血中コレステロールを下げる効果が期待される不飽和脂肪酸、特にオレイン酸やリノール酸です。
さらに、興味深いことに最近脳のシナプス細胞を増やす大切さを教えてもらったところですが、落花生には脳の働きをサポートするレシチンも含まれています。
★茹で方
圧力鍋:3%から3.5%の塩水に入れ、圧がかかってから2分、その後急速に冷却します。
通常の鍋:3%から3.5%の塩水に入れ、沸騰から30分。味見をし硬ければさらに10~15分加熱。
茹で上がったら、ざるでしっかりと水気を切ります。
毎年、茹でる際試行錯誤をしてきましたが、落花生の品種や状態によって茹で時間や塩の入り方が微妙に異なります。お好みで調整しながら最適な食感と味を見つけて下さい。
また、一度茹でた後に冷凍保存も可能。食べたい時に蒸すなど再加熱して楽しむことができます。
★殻の割り方
落花生の殻は子房柄がついていた方と反対の「口ばし」の形をしている部分を押すと、簡単に半分に割れ中の豆が取り出せます。
昨今、生の落花生をよく見かけるようになりました。
塩茹で落花生のホクホクとした食感と独特の甘さで、一度食べ始めると止まらないこと間違いなし!
となってしまうのですが、何でもほどほどの心がけは大切です。
さぁ、この季節の風味。是非お楽しみください。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。