◎4F
【内田祐子 ふわはね絵本のお部屋】
『さるかに』
文: 広松由希子
絵:及川賢治
出版社: 岩崎書店
秋も深まってきました。
昔話という日本の大切な文化は、おばあやおじいが囲炉裏ばたで話したお話でした。
やがて月日は巡り、その文化も失われつつあります。
だからこそ、絵本というツールを使って、次の世代に残していきたいと私は思うのです。
今回ご紹介するのは比較的新しい昔話の絵本です。
比較的新しいと言っても12年も前のこと。
多くの著書もだされ、編集者でもある広松由希子さんとおしゃれで洗練された絵が人気の100%ORANGEの及川賢治さんの昔話!
お話は皆さんもよく知っているこの季節にぴったりの「さるかに」のお話です。
さるとかにがおにぎりと柿の種を取り替えます。
かにが育てた柿の木に実がなると、さるがやってきて、「かにさん、よこあるきでは木にのぼれまい。おれがのぼって もいでやろ」と木に登りました。
さるは、するすると木にのぼると、赤い実をもいでは食べ、もいでは食べ、下に落とすのは柿の種とヘタばかり。
「さるさん、こっちにも ほうっておくれ」と頼んだかにになんとさるは!!…。
子がにたちの敵討ちのお話を!さぁ、このお話をお二人が作るとどうなるのかと、楽しみでしかたありませんでした。
そして絵本を開き、声に出して読んでみると…。
昔話の心地よい言い回しは残りながらも軽やかに。
そこに洗練された明るい絵!古き良きをのこしながら新しい今の子どもたちにも楽しめる昔話だと感じました。
幼稚園や小学校の読み聞かせにもぴったり!
ぜひ語り継いでほしい昔話のひとつです。
<読み聞かせ時間目安 5分30秒>
<プロフィール>絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持されフォロワーが15,000人を超える。
★インスタグラム @fuwahane ←こちらをクリック