◎1F
緑がいっそう色濃く繁る木々の葉。
青葉の季節です。
小さなポットに植えられた空豆の種から可愛い芽を出していた昨年11月から半年が過ぎました。
莢が元気よく空に向かって育つそら豆の姿は、色濃く繁る葉のように躍動的な力強さを感じます。
さやの中の豆が大きく育ち、さやの頭が垂れてくると収穫の目安です。
武庫一寸そら豆
出回る時期がはかない程短いため、時期が重なると毎年ご紹介をしたくなってしまいます。尼崎の伝統野菜の武庫一寸そら豆です。
日本のそら豆の歴史を遡ると、インドの僧が中国より伝えたという記録がありその豆が一説によると尼崎で栽培されるようになったと言われています。
昔に比べると、現在では栽培面積も収量も大変少なくなったそうです。
そら豆は生育抑制物質を出すので同じ土壌では生育が悪くなることから4、5年間隔を空けたり、栽培場所を変え大切に作り続けてられています。
一寸とは約3cmのことで一粒がふっくら大きいことが魅力。
収穫したばかりが店頭に並び手に取れることも美味しさの大きなポイントです。
さやから取り出すと、豆全体が見惚れる程とても美しい緑色をしています。
鮮度の良いものはやわらかいので豆の皮も剥かずに頂けます。
皮は食物繊維も多く含まれています。
さやごと丸焼きにしたり、豆を出して塩ゆで、オイルを加えた蒸し煮、調味した出汁で煮た後に冷ました青煮、かき揚げ…どれもそら豆の風味をシンプルに味わえます。
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薄皮をむく時は、豆を傷つけないよう豆の脇のくぼみにナイフで手がかかりをつけるか、爪で下から持ち上げる実を傷つけずにむけます。
そら豆ご飯
2合に対して小さじ1の塩と、そら豆の薄皮をむいた豆を加えて炊いたそら豆ご飯です。ほっくりとした食感とそら豆独特の風味を楽しめます。
お好みで軽く炒った桜エビを散らしても!
そら豆独特の青い香り、ほっこりとした甘味に含まれるブドウ糖やショ糖は収穫後、時間と共に減っていきます。さやから出した実は水分が蒸発し硬くなりやすいので、食べる直前に出すのがベターです。「おいしいのは3日」と言われるほどですすから購入後は冷蔵庫に入れできるだけ早くお腹の中へ。
あっという間に終わってしまう短い旬です。今年も存分に楽しみたいものです。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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