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売場ニュース
里芋は、葉柄の下の親芋から小芋、そしてその小芋の節から孫芋やひ孫が付いて育つことから、子孫繁栄の象徴とされ、お正月のお節料理にもよく使われる食材です。
海老芋は円錐形の形をしているので、同じ形と大きさの亀甲形をひとつの海老芋から多く取ることができません。重箱に美しい形のものだけを選んで詰めるたびに、その品格ある姿の海老芋はハレの日の煮物にふさわしいなぁと感じてしまいます。
普段の料理では、形気にすることな気負わず皮を剥いて、その風味を楽しむことが多いです。細い部分は筋っぽいことがありますが、気にせず一緒に煮てしまいます。
その後、粉をつけて揚げると気にならず美味しく頂けます。
里芋や海老芋を剥く時にかゆみを感じることがありますが、これは里芋の皮の下にあるシュウ酸カルシウムの針状の結晶が皮膚を刺激するためです。
乾燥や熱に弱いため皮を洗った後に、半分ほど乾かすことでぬめりを抑え、かゆみを防ぐことができると言われます。
また、加熱してから皮を剥くのも効果的です。
さて、海老芋の含め煮は、煮立たせないことが美しく仕上げるポイントです。
煮汁の表面がほほ笑むくらいの弱火で煮ると、形が崩れず仕上がるとされています。
この火加減は、オーブンを使うと簡単に実現できてしまいます。
オーブンに入れることができるホーロー鍋などをお持ちであればオススメの調理法です。
ポイントは、一度火口で優しく沸騰させアクを取り除いてからオーブンへ入れることです。後は鍋の蓋をして160℃の温めたオーブンで20分~30分入れるだけ。
海老芋の大きさにお合わせて時間は調整してください。小さい海老芋20分~大きい海老芋30分が目安です)
火口にいなくても良く、オーブンの熱で部屋も温まるのでとても楽ちんです。
ついでに、皮を洗ったさつまいもも横に入れておけば、細いさつまいもでしたら焼きいもも同時に完成しますよ。
今年の秋は短いですが、心地良い季節。
美味しい旬の食材と共にじっくりと味わいたいものです。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。
旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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