寒さが少し緩んだかと思えば、再び寒波襲来の予報です。
冬へと逆戻りの寒さ。体調管理は引き続き気をつけないといけません。
過日、両手に抱えきれない程の菜の花をいただきました。
その明るい黄色の花や蕾に、これから訪れる淡く優しい春の景色と重なり、心が華やぎました。
山の雪解けとともに、自然界では芽もの野菜が顔を出し始めます。
店頭にも菜の花をはじめ、一足早くフキノトウ、こごみ、たらの芽等並びます。
芽やつぼみには、きゅっと素晴らしいエネルギーと栄養が詰まっています。
「春の皿には苦味を盛れ」と言われるように、春野菜のほろ苦さは身体の代謝を高めてくれると効果が期待されています。特に菜の花は野菜の中でもビタミンCを豊富に含む野菜のひとつ。
少量でも山菜や芽吹き野菜を添えるだけで「春が来た」と感じられ、嬉しくなります。
とは言えまだまだ寒さ続きます。
冬の寒さの中で育つネギの美味しいこと。
特に期間限定の朝来市特産の「岩津ねぎ」は、加熱をするとトロッと溶けるように柔らかくなり、まるで加糖したようなじゅわっと広がる甘さが絶品です。
緑の葉の部分からはゼリーが溢れ出てきます。
煮ても焼いても炒めても甘さが増し上から下まで余すことなく頂ける兵庫県を代表するネギをはじめ、神戸市北区の下仁田系統のネギ等もこの寒さに当たり美味しい季節を迎えています。
葉ネギの部分は緑黄色野菜に分類されるほどカロテンが豊富ですし、ネギに含まれるビタミンCと、硫化アリルの一種「アリシン」には免疫力を高める働きが期待されています。
硫化アリルは揮発性が高いため、生またはさっと加熱する程度で食べるのがおすすめですが、今回は食感と甘さを堪能することにします。
過日に頂いた天ぷらは春と冬の食材がとても美味しく調和していました。
自宅でも早速ふんわりサクッとフリット衣に代え、寒さの中で力強く育った野菜を組み合わせて、春を待つ一皿「岩津ねぎと菜の花のベニエ」で頂きました。
シンプルな調理ですが、それぞれの魅了を存分に味わえます。
岩津ねぎのフリットと菜の花のフリット
A(フリット生地)
米粉(または薄力粉+片栗粉) 100g
ベーキングパウダー 小さじ1
塩 小さじ1/2
ビールまたは炭酸水 140ml~160ml
岩津ねぎ 白い部分
菜の花
(作り方)
①白い部分を斜めに1㎝程の斜め切りにする。菜の花は長ければ2等分に切る。
②Aを良く混ぜてビールまたは炭酸水でトロッとするまで混ぜる。
③野菜全体に衣がつくように絡め、180℃に熱した油で揚げる。
好みで塩、レモンを添える。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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