英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。
それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!
2022.1.17
英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。
それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!
セヴィルオレンジ
英国伝統のマーマレードの一番の特長は、スペイン産の"セヴィルオレンジ"を使う事。アンダルシア地方、特にセビリアでは町中でも見かけるオレンジの木ですが、実をそのまま食べると苦味と酸味が強く、美味しくありません。スペインではお料理に使うことはあるそうですが、あまりこれといってセヴィルオレンジを美味しく加工して楽しむ"文化"がないようです。ほとんどが英国へと輸出されています。セヴィルオレンジが市場に出回るのは1月~2月初旬の短い間だけです。
最近では、マーマレードを自宅で作る人は少なくなりました。
それでも私を含め、多くの人は毎年この時期に1年分のマーマレードをつくります。
1度でたくさん作るにはその分手間と時間がかかりますが、美味しいマーマレードを食べるために、自宅でこつこつと作ることは楽しみのひとつです。
市販されている高級マーマレードは小さな工場でつくられるものが多いようで、作る時の手間を考えれば少々高くても十分に価値があると感じています。
では実際に私が自宅で作る時のエピソードはまた後にして、まずはマーマレードにまつわる逸話をお話したいと思います。
<<マーマレードの歴史>>
長年マーマレードについての情報をチェックしていますが、その歴史に関してはじつに色々な説があります。
マーマレードの歴史は古代ギリシャまで遡ります。
ローマ人はさまざまな形で果物を保存する方法を考えていたようです。
中でも現在のマーマレードに近い保存方法が、"マルメロを蜂蜜で煮ると冷めた時点で固まる"というもの。
(現在では、マルメロの中に含まれるペクチンによるものと判明しています。)
それが現在のマーマレードにつながっている、という説が有力です。
しかしその当時はマルメロのペーストみたいなもので、現在のマーマレードとはほど遠いものだったようです。
写真上:英国全土から集まった審査員たち
写真下:それぞれのマーマレードを念入りにチェックし、コメントを書きます
木島さん:この年はF&Mがスポンサーだったので、審査員の記念写真にあえてF&Mの箱を置いて撮影しました。撮影時の箱の中は空っぽです。アマチュア、アーティザンの部門を合わせると世界中から送られてくるマーマレードは、この箱に入りきらないほど沢山ありました。
審査は2人1組で、「色」「香り」「固まり具合」「皮の硬さ」「皮がジェリーの中に均等に交じり合っているか」など、多くの項目をチェックします。
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