英国の一年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。
前回に引き続き「マーマレード」について。
英国バッキンガムシャー在住の英国政府公認ブルーバッチ観光ガイド木島・タイヴァース・由美子さんが、年始めに自宅で作るマーマレードについてお話いただきました。
阪急うめだ本店 英国フェア2018でもマーマレードコンテストが開催されました。
2022.1.24
英国の一年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。
前回に引き続き「マーマレード」について。
英国バッキンガムシャー在住の英国政府公認ブルーバッチ観光ガイド木島・タイヴァース・由美子さんが、年始めに自宅で作るマーマレードについてお話いただきました。
阪急うめだ本店 英国フェア2018でのマーマレード審査の様子
<<阪急うめだ本店 英国フェア2018 マーマレードコンテスト>>
阪急うめだ本店 英国フェア2018で開催されたマーマレード・アワードのコンテスト。
日本全国から集まったマーマレードを、ダルメイン城主の奥様でマーマレード・フェスティバルの発起人であるJane Hasell-McCosh夫人と共に、審査しました。
日本では"セヴィル・オレンジ"は手に入らないため、ほとんどが他の柑橘類で作られたマーマレードでした。
日本では実に多くの種類の柑橘類が栽培されているので、それらを使ったマーマレードは私にとって珍しく、貴重な体験でした。
(あらためて考えると、オレンジが育たない英国でマーマレードが名物になっているという事実をおもしろく感じます。)
審査でご一緒したJane夫人も、今まで英国では食べたことのない柑橘類を使って作られたマーマレードに、興味を示されていました。
ダルメインで開催される世界のマーマレードコンテストでは、ここ数年日本から"柚子のマーマレード"のエントリーが多くなってきています。
写真上:キッチンでブレッド&バター・プディングをサーブしているメアリー
写真下:メアリーが作ったお菓子たち(木島さんの著書「イギリス人は甘いのがお好き」に掲載)
<<友人のメアリーから教わった、マーマレード レシピ>>
私にマーマレードの美味しさを教えてくれたのは友人のメアリー。
90歳を超えた今も、ステキな女性です。彼女はシェフの資格を持っています。4人の子供を育てながら、マーマレード、ジャム、チャツネ、ケーキ、ビスケットなど可能な限り"ホームメイド"を貫いてきました。そんな彼女のレシピは、「時間をかけずにシンプルで美味しいもの!」に徹しています。
オレンジは、丸ごと煮れば皮も簡単に切れます。
「見た目はちょっと良くないけど、こっちのほうが美味しいのよ。」
と自信ありげな彼女のマーマレードを初めて食べたのは、もう20年以上も前のことです。
そのマーマレードは、今までスーパーで買っていた市販のマーマレードとは全く異なるものでした。
メアリーの作ったマーマレードをのせたトーストを一口かじると、オレンジの香りが口の中でブワッと広がり、体全体がすっぽり包まれたような衝撃を受けたのを今でも覚えています。こんなに美味しいマーマレードが自分でつくれたら・・・と、さらに自分に合ったレシピを編み出して今日に至っています。
写真上 至福の時① 暗くて長い英国の冬の夜に、セヴィルオレンジの皮を刻みます
写真下 至福の時② 皮をじっくり、時間をかけて煮込むのがコツ
<<マーマレードをつくる、至福の時>>
では実際に、私の自宅でマーマレードを作っていきましょう。
まずは、前回冒頭でお話した英国伝統のマーマレードづくりに欠かせない"セヴィルオレンジ"の皮を刻んでいきます。
セヴィルオレンジが市場に出回る1月~2月初旬の間に、日を分けながら作ります。私にとって、マーマレードを作る時間は"至福の時"です。
長くて暗い英国の冬、早朝に起き出して作るマーマレードは家中をオレンジの香りで満たしてくれます。私のマーマレードを心待ちにしてくれる人々の顔を思い浮かべながら、好きな音楽を流し、セヴィルオレンジの皮を刻んで、じっくり時間をかけて煮込んでいきます。
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