春の訪れを告げる"スノードロップ・ウォーキング"

英国の1年を、時候に沿ってお届けする【英国365日】。

2月は、スノードロップウォーキングについて。
英国バッキンガムシャー州在住の英国政府公認ブルーバッチ観光ガイド木島・タイヴァース・由美子さんは、毎年この時期の習慣にされているそうです。

それでは、木島さんの#英国ライフ・コラムをお楽しみください!

写真上:パブリック・フットパスロードの看板、写真下:パブリック・フットパスをウォーキング


<<英国人と、ウォーキング>>
英国人にとってウォーキングは、昔から暮らしの一部としての大切な役割を果たしてきました。

この国には、他の国では類を見ない英国特有の権利「パブリック・フットパス」(例え私有地であっても、登録されると誰でも自由に歩くことのできる道、野原など)があります。
この権利を使って、英国人はウォーキングを楽しんでいます。
カントリーサイドでは本格的にウォーキングの格好をして、首から地図をぶら下げた人たちをよく見かけます。

Q:一年のうち、"特にこの時期ウォーキングが盛ん"といった時期はありますか?

木島さん:クリスマスにたくさんのご馳走を食べて、そろそろお腹の脂肪が気になりだす頃。
元旦のウォーキングも習慣の一つです。
私も以前は元旦のウォーキングを楽しんでいました。
パリッとした寒い空気のなか、犬たちを連れてウォーキングすると、一年間のエネルギーをもらったような気持ちになります。

今回ご紹介するスノードロップ・ウォーキングの時期である1月下旬~2月のほか、4月~5月にかけてのブルーベル・ウォーキングも盛んです。

真っ白な"スノードロップ"

長くて暗い英国の冬、その終わりを真っ先に伝えてくれる花が"スノードロップ"です。
学名はガランサス。
別名『キャンドルマス・ベル』(聖燭祭-2月2日/聖母メアリーとジョーゼフが、キリスト生誕40日目にキリストを神殿に連れて行き、神の祝福を授かった日)と呼ばれることもあります。
日本ではガランサス、または待雪草(まつゆきそう)とも呼ばれていますね。

スノードロップの花言葉は「希望」「なぐさめ」。
今年こそ人々が自由に、どこにでも気兼ねなく訪れる事ができる年になるように!そう祈りながら迎えた新年にぴったりの花ではないでしょうか?

ウェルフォードパーク(Welford Park)のスノードロップ・ウォーキング

<<1月末~2月初旬が"スノードロップ・ウォーキング"のシーズン>>
私は毎年2月に入ると、スノードロップ・ウォーキングに出かけます。

英国ではこの時期、各地でスノードロップが咲き乱れる丘や野原を散歩する"スノードロップ・ウォーキング"が盛んになります。

いつもオープンしているガーデンや、スノードロップの時にオープンするガーデンなどさまざまです。
特に気に入ったガーデンは毎年出かけるなど、楽しんでいます。

写真上:バッデズリー・クリントン(Baddesley Clinton)のお屋敷、写真下:バッデズリー・クリントンのプライベート・ダイニングルーム

<<保存財団ナショナルトラストが管理しているバッデズリー・クリントン(Baddesley Clinton)でスノードロップ・ウォーキング>>
今回最初に訪れたのは英国の保存財団 ナショナルトラストが管理しているバッデズリー・クリントン(Baddesley Clinton)です。
私は歴史ある建物や昔の貴族のお屋敷を訪れるのが好きですが、そのような場所を見学するのは約2年ぶりのことで、とっても興奮しました。
バッデズリー・クリントン は、1980年にナショナルトラストにわたる前は500年間同じ家族が住んでいて、時代時代で歴史に残る出来事がいろいろ起こった家です。
例えば宗教改革の時にカソリックの神父をかくまった穴ぐらが今でも残っています。
捕まれば間違いなく、かくまった住人は処刑されていたことでしょう。

写真上:聖マイケル教会、写真下:教会のそばに咲いた、スノードロップ

お屋敷から細い脇の道を100メートルほど進んだところにある聖マイケル教会、そのそばに、スノードロップが咲き始めていました。
ともすれば見逃してしまいそうなところにある小さな教会でしたが、私はそういう教会にとても惹かれます。

次回はスノードロップ・ウォーーキング後編。
350種類ものスノードロップが植えられている"コールズボーン・パーク(Colesbourne Park)"が登場します。
お楽しみに!!

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