3月に行われた、英国メルトン・モーブレーにて開かれたパイの祭典「British Pie Awards 2022」 。
前回のコラムに引き続き、英国在住のエリオットゆかりさん(※)が審査員で参加された様子をお届けします^^
※駐日英国大使館 「Food is GREAT: A Taste of Britain 」にて、現地の食についてコラムやレシピを寄稿。
3、Pastry Thickness (厚さ)ここからはパイを実際に半分に切って見ていきます。
2022.4.2
3月に行われた、英国メルトン・モーブレーにて開かれたパイの祭典「British Pie Awards 2022」 。
前回のコラムに引き続き、英国在住のエリオットゆかりさん(※)が審査員で参加された様子をお届けします^^
※駐日英国大使館 「Food is GREAT: A Taste of Britain 」にて、現地の食についてコラムやレシピを寄稿。
パイを半分に切って審査中
半分に切るとパイ生地の断面がしっかり見えて判定しやすいです。
ここでは厚すぎず薄すぎず、底部分と蓋部分の重なり合ったパイ生地全てが均等であるかチェックします。
本体と蓋部分の重なる部分は厚みが出やすいのでこの部分をいかに綺麗に仕上げているかが見どころです。
4、Pastry Texture & Tast (パイ生地の質感と味)いよいよ実際の試食に入りますが、まずはパイ生地のみを試食します。
パイの歯触りや舌触りや塩加減が採点のポイントです。
パイの中身はもちろんですが、生地によってパイ全体の美味しさが変わってくるので、とても大事な審査要点になります。
焼きの足りないパイ生地だったり、塩味が感じられないものは減点対象です。
5、Filling (具の量)具とソースのバランスや、パイ生地に詰めている具の量は適切かを見極めます。
パイを半分に切ると具が1/3ぐらいしか入っていなかったり、ぎっしりぎゅうぎゅうに入りすぎているのはNGです。
この適量が難しい。確かに買ったパイの具が少なかったらちょっと残念ですよね。
6、Filling Texture & Taste (具の食感と味)最後は、大切な全体に影響を与える具の食感や味わいです。
具が調理しすぎてパサパサしていたり、固かったりしないか、また味は濃すぎないか、薄すぎないか、ハーブがお料理の邪魔をしていないかなど具全体の総評です。
パイの採点用紙
もちろん審査員の好みもあるので、公平に審査を行うために高得点で残ったパイをみんなで試食しながら、最終的な判断をすることになります。
「よかったところ」「改善点」を記入するところもあり、応募された方のモチベーションを上げて来年に希望をつなげてもらえるような評価をします。
写真上:同じグループの皆さんと最終審査中、写真下:私のペアを組んだルーパードさん
ルーパードさんのお仕事は食品を商品化するかしないかということを決定するお仕事なので、今回の審査員も適任です。ご一緒させていただき私自身とても学びの多い時間になり、ペアを組ませていただけてありがたかったです。
二人で一緒に一つ一つの項目を確認し食べながら談義していくのですが、味覚も違うので意見が分かれることもありました。お互いにきちんと納得するまで話をし、合意の上で最終的な採点をしていきます。
私たちが試食させていただいたパイの中での一番の高得点だったのが「ラビットパイ」
コンサバティブな味覚の私なので、できればうさぎは避けたかったのですが、今日はお仕事の一環。
そんなことを言っていられません。
腹筋に力を入れて笑顔でパクッと食べました。
初めてうさぎが食べられたことも嬉しかったのですが、何よりうさぎがとっても美味しくってびっくりしました!
パイ生地と中身の具の味や量のバランスも文句なく満点に近いものでした。
もう一つ高得点だったパイは、チキンとカマンベールチーズとパンチェッタ、それとクランベリーの入ったもの。
最初はどんなお味なのか想像できなかったのですが、ジューシーな鶏胸肉とパンチェッタの塩加減とまろやかなカマンベールチーズ、そこにアクセントにほんのり甘いクランベリーが入っていて、しょっぱさと甘みが美味しいハーモニーを生み出していました。
チキンの胸肉はパサパサしがちですが、ジューシーに仕上げているところも好印象でした。
最終的に私たちグループが担当した「クラス16 Hot-Eating Savoury Pie」の一番に選ばれたのは「Spiced Miso Beef Short-ribs and Sour Cherries」
私たちのグループ クラス16 が選んだ「Spiced Miso Beef Short-ribs and Sour Cherries」
スパイスの効いた味噌の牛カルビ肉と酸味のあるチェリーを使ったパイでした。
まずはビジュアルが美しすぎました。
味は味噌を使っているので、英国人の審査員はあのコクと旨味の美味しさにやられてしまったらしく、全員が「Delicious」の連呼!
そんなわけで私たちチームの一番としてこちらを選出。日本人としてはとても誇らしかったです。
<<審査と採点を終えて、休息のひと時>>
各グループが最終的なカテゴリー優勝者を決めたら、この日は終了。
終わりは特に合図はなく皆さんバラバラに終わった人から帰っていきます。
この辺りが英国らしいと思いました。
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