『伝統と気品に心躍る「ロイヤルアスコット」に魅せられて』

今回のテーマは「ロイヤルアスコット」。
英国のマナーに精通し、「ロイヤルアスコット」をこよなく愛す、アンティークサロン「Violetta」オーナー、青山櫻さんにお話しいただきます。




オードリー・ヘップバーンの映画『マイフェアレディ』に登場するワンシーンが、華やかな「ロイヤルアスコット」に憧れを持つきっかけになりました。
(※「ロイヤルアスコット」は英国王室主催の競馬レース。毎年6月の第3週に、英国王室所有のアスコット競馬場にて開催されます。)

「ロイヤルアスコット」には、4つのエンクロージャーと呼ばれる観客エリアがあります。
男性でいえば、日中のドレスコード最高峰であるトップハットにモーニング姿で参加する“ロイヤルエンクロージャー“、
ネクタイにスーツという“クイーンアン・エンクロージャー”、さらにカジュアルになっていく“ヴィレッジエンクロージャー”、
“ウィンザーエンクロージャー”です。
女性も各エンクロージャーによって、帽子の大きさやワンピースの肩紐の太さなど、細かな決まりがありますが、どのエンクロージャーも“ミリナリー”と呼ばれる帽子を被ることから、“帽子の祭典”とも呼ばれています。
チケットを購入できる他のエンクロージャーと異なり、『マイフェアレディ』に登場する“ロイヤルエンクロージャー”は、基本的にメンバーしか入れない特別なエリアです。なかなか夢の舞台に立つことは叶いませんでしたが、西洋マナーについて学ぶうちに、ついにその機会が訪れたのです…!
華やかでノーブルな世界に初めて身を置いた時には、昼間に見る白昼夢のように美しいと思いました。
馬と英国王室のつながり、そして皆が感じる一体感など、「ロイヤルアスコット競馬」そのものの魅力にも魅せられます。
普段はカジュアルな英国人も、このときばかりはカラフルな帽子と靴、バッグ、ワンピースの色まで合わせて、思い切りおしゃれを楽しみます。
地味に、無難に、という考えで洋服を選んでしまうと、『もっと華やかにしてこればよかった』と会場で後悔してしまうことでしょう。
「ロイヤルアスコット」で被る帽子は、女王陛下や会場への敬意を示す、とてもデザイン性が高い帽子です。
英国では、今でも、かしこまった会に参加するときには“ミリナリー”を身につける伝統があります。
私が「ロイヤルアスコット」に参加するときは、着ていくワンピースだけ決めていき、英国のデパートで店員さんにドレスを見せて相談します。
ワンピースに合ったおしゃれなデザインの帽子をピタッと選んでくれて、ドレスコードにも合っているので安心感がありますね。
「ロイヤルアスコット」は、別名ロイヤルミーティングとも呼ばれ、希望すれば誰もがチケットを購入できる英国王室主催の一大行事です。(※“ロイヤルエンクロージャー“を除く)
王室を身近に感じる機会であり、競馬というひとつのゲームを、階級の違いを超えて楽しめる英国の縮図のような素敵なイベントなんです!
また、長い冬が終わり、夏の社交シーズンの始まりを告げる最初のイベントでもあります。
太陽の光を楽しみたい!と、パドックを走る馬を眺めながら、パラソルの下でお茶をしたり、ピクニックを楽しんだりする英国人の姿が。
ピクニックにも、陶磁器の食器を用意したり、お花を飾ったり、テーブルクロスを敷いたりと、外でも家の中を再現するのを楽しむところも英国人ならでは。
屋外の楽しみ方が上手な英国人の文化を感じられる機会でもあるんです。
『英国フェア2022』には、日本初上陸のアイテムをたくさんお持ちします!
「ロイヤルアスコット競馬場」へ行かなければ手に入らない、キーホルダーやトートバッグ、Tシャツなどの公式グッズ。
カジュアルなアイテムもデザインが洗練されているんです。
また、“帽子の祭典”を象徴する“ミリナリー”や“トップハット”などもご紹介します。
ぜひ会場で、「ロイヤルアスコット」の魅力を感じてください!

<プロフィール>
青山櫻
横浜青葉台にあるアンティークサロン「Violetta」オーナー。
英国を中心に買い付けにいくなかで、西洋マナーの必要性を感じ、各国の先生に師事、現在はマナー講師としても活躍。
日英協会会員。臨床心理士。
著書は、『レディのたしなみ Jewelry Lesson』(清流出版)、『気品のLesson』(Gakken)。

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