英国の伝統と革新を兼ね備えた蒸溜所【ベンリアック】

スコッチウィスキーの聖地、「スペイサイド」にあるベンリアック蒸溜所でのウィスキーづくりと、そのウイスキーでつくった特別なケーキをご紹介いたします。


●スペイサイドにようこそ

ベンリアック蒸溜所は1898年に創業しました。

スコットランド北部エルギン近郊の、数多くの蒸溜所が集まる「スペイサイド」と言われるエリアにあります。

創業時から、絶えずフレーバー(味わい)の可能性を追求し、数多くの賞も受賞しましたが、フレーバーの探求に終わりはありません。

写真:入口側から見たベンリアック蒸溜所


●すべては水から始まる

ウイスキーづくりには、蒸溜所の地下深くから汲み上げる、ミネラル豊富な仕込水を使います。

原料の大麦麦芽のデンプンを糖分に変える糖化工程において、このミネラル豊富な仕込水を4回投入しています。

一般的な3回投入に対して、当然その分時間はかかりますが、原料である大麦の甘味を最大限引き出すことが出来ます。

この工程を「フォー・ウォーター・マッシュ」と呼んでいます。

この「フォー・ウォーター・マッシュ」にイーストを加え、発酵させたウォッシュ(もろみ)を蒸溜する事で、ベンリアックのスタイルであるフルーツノートを伴った華やかな原酒に仕上がるのです。

写真:大きく“ベンリアック”の名前が入る特徴的な蒸溜所の壁面


ベンリアック蒸溜所では、ノンピートの大麦麦芽とピートを使用した大麦麦芽(ピーテッド麦芽)の2つのタイプのシングルモルトウイスキーを製造しています。

(ピート…泥炭。ウイスキーの原料である大麦麦芽を乾燥させる際にピートを使用すると、スモーキーな香りになる。)


●クラシックなノンピート原酒

蒸溜工程においてもベンリアックの特長であるフルーツノートを最大限に引き出すための工夫をしています。

単式蒸溜器のポットスチルをゆっくり丁寧に稼働させることで「ハーツ」と呼ばれる中間部分の溜出時間を長くすることが出来ます。

これにより香りの元となる「エステル」を原酒に最大限閉じ込めることが出来てフルーティーな香りを生み出します。

この蒸溜方法がベンリアックの特長である果樹園の果実や柑橘のさわやかさをもたらします。



●ハイランドピート原酒

毎年春先になるとピーテッド麦芽を使用したウイスキーづくりが行われ、この時期を「スモーキーシーズン」と呼んでいます。

ベンリアック蒸溜所はスペイサイドの蒸溜所では珍しく、古くからピーテッド原酒づくりに取り組んでいて、熟成庫には極めて稀少なピーテッドの長期熟成原酒が眠っています。

ベンリアックが使用するピートは、アイラ(※)に代表される「薬のような」とも表現されるピート香ではなく、焚き火のような甘くスモーキーな香りが特長です。

(※アイラ…スコットランド・アイラ島で作られるシングルモルトウイスキー。)

写真:ストレートで、ゆっくり豊かな香りを愉しむ飲み方


●熟成・マリアージュにより広がる世界

ベンリアックの熟成庫の中には、スコットランドの中でも際立つ多種多様な樽(カスク)が眠っています。

これらは「スリーピング・ビューティ」(眠り姫)と呼ばれていて、現在も選りすぐりの樽(カスク)を世界中から集めています。

ベンリアック蒸溜所の製品は3種類の樽熟成原酒をブレンドして味により深みを持たせるのが特長ですが、この格別な樽のコレクションで更に豊かで新しい味と香りを生み出す可能性をクリエイティブに探究し続けています。


写真:バーボン樽を中心に、シェリー、ポート、ラム等約30種類もの樽熟成原酒が熟成庫に眠っている様子


●貴重な昔ながらのフロアモルティング

スペイサイドにおいて現在も自家精麦の「フロアモルティング」(※)を実施している蒸溜所は2つしかありません。ベンリアック蒸溜所はその内の1つです。

毎年スコットランド産の上質な麦が届く季節「モルティング・シーズン」を祝い、約1か月間フロアモルティングを実施しています。昔ながらの手間のかかる作業になりますが、味わいも確かに違いが生まれます。

フロアモルティングにより製麦された大麦を使った原酒は素材を感じるクリーミーな味わいが特長です。

※フロアモルティング…伝統的な精麦方法で、水に大麦を浸した後、広い床に広げ、空気に触れさせて発芽を促します。

発芽が均一になるよう、また発芽した根が絡まないよう麦芽担当者(モルトマン)が手作業で大麦を攪拌しますが、非常に力のいる大変な作業。


●マスターブレンダー「レイチェル・バリー」

ウイスキーマガジン誌の主催する「Hall of Fame(ウイスキーの殿堂)」にも名を連ねる、ウイスキー業界において世界的に著名なマスターブレンダーの一人です。

彼女は、ウイスキーづくりへの情熱、四半世紀以上に渡る経験、飽くなき探求心でベンリアック蒸溜所のウイスキーづくりの全てを統括しています。


写真:マスターブレンダーのレイチェル・バリー氏

「ベンリアックには3つのスタイルの原酒、多種多様な樽(カスク)のコレクションがあり、この多彩な原酒のおかげで芳醇で複層的な味わいを実現する事が出来ます。これはまるで画家が色彩豊かなパレットを持っているかのよう。画家は色を重ねて芸術を表現するのに対して、私は香りや味わいを重ねて芸術を表現するのです。」と語っています。

今回、このこだわりがつまったシングルモルトウイスキー「ベンリアック」を使ったケーキが完成しました。

芳醇でフルーティな味わいのウイスキーを贅沢に染み込ませた、柔らかくしっとりとした口当たりのケーキに仕上げました。トップにはウイスキーと相性の良いナッツと砕いたピスタチオをトッピングしています。

【ケーキの詳細はこちらから(「ケーキリンク」の商品ページに遷移します)≫】


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