写真：「グッド アンド プロパー ティー（GOOD & PROPER TEA）」ブロックリーブレックファスト［リーフ］

Q：いつごろからこのブレンドが飲まれるようになったのでしょうか？「イングリッシュブレックファスト」の歴史を教えてください。

砂川先生：「イングリッシュブレックファスト」という名前ができた経緯は諸説あります。実は英国でできたものではなく、米国が発祥と言いう説もあるんです。

英国からニューヨークに移り住んだ茶商人が、中国紅茶をベースにブレンドしたものが大人気となり、それを「イングリッシュブレックファスト」と呼ぶようになったとか。

英国が発祥である、という説ももちろんあります。ヴィクトリア女王がスコットランドのバルモラル城で出会った濃厚なブレンドティーの虜になり、ロンドンに帰ってから同じようなブレンドティーを作ってもらい、それを「イングリッシュブレックファスト」と呼ぶようになったとも言われています。。

Q：なぜ「イングリッシュブレックファスト」と呼ばれるようになったのでしょうか？名前の由来は？

砂川先生：「ブレックファスト」という言葉ですが　「break」＝「断つ」　と、「fast」＝「断食」の二つの言葉を合わせています。つまり「断食を断つ」という意味です。

ヴィクトリア朝時代は、ランプが普及するまでは夜は室内が真っ暗になるため、まだ明るい昼間に夕食を食べた後は翌朝までは食事をしないことが普通でした。

この、長い断食時間を断って朝ごはんを食べると言う意味で生まれた言葉が「ブレックファスト」です。

家族間のつながりの強化を求められていた時代で、朝食の時間が最も重要と位置づけられていたので、この朝食の時間を楽しみに、ボリュームのある朝食用にと出来たのが「ブレックファストティー」とも言われています。

（※名前や言葉の由来は諸説いろいろあります。）

Q：日本では「イングリッシュブレックファスト」はどのような位置づけなのでしょうか？

砂川先生：『世界で一番飲まれている紅茶はイングリッシュブレックファストである』と言う説がありますが、『日本で一番売れている紅茶の種類はアールグレイである』という話があるほど日本ではアールグレイが大変な人気です。

日本では、ブラックティー（香りをつけていない紅茶）が好きな方、英国紅茶が好きな方、また英国帰りの方などが、好んでイングリッシュブレックファストを楽しまれている様なイメージがあります。

写真：各ブランドのイングリッシュブレックファストの茶葉

Q：先生の感じる、イングリッシュブレックファストの魅力を教えてください。

砂川先生：くせがなく重厚感があるのに苦味がなく、飲みやすい紅茶です。お茶感をしっかり感じながら、合わせている食べ物を包み込むような包容力も感じ、たくさんの方に愛されているのがよくわかります。

Q：イングリッシュブレックファストのおすすめの楽しみ方を教えてください。

砂川先生：一言にイングリッシュブレックファストと言っても、各ブランドによって味わいは変わります。

重厚感があるイメージが強い紅茶ですが、透明感を感じるブランドもあります。

色や香りも、しっかり目・優し目 などブランドによってかなり違いがあるので、購入時に茶葉を香ってみたり、試飲したり、販売されているスタッフの方に聞いてみたりして、自分の好みに近いものを見つけられるといいですね。

・目覚めの一杯にほっこりと。

・英国の様に、朝食に合わせてマグカップにたっぷりと淹れてミルクも加えて なみなみと。

・午後のひと時に、お気に入りのお菓子やスコーンなどと一緒にティーポットで丁寧に淹れてゆっくり飲むのもいいですね。

・少し薄めに淹れてざぶざぶと日常飲みをするのもおすすめです。

写真：各ブランドのイングリッシュブレックファスト。茶葉の形状や抽出したお茶の色や香りもそれぞれ違いがあります。

Q：#英国ライフのオンラインストでも様々なブランドのイングリッシュブレックファストを取り扱っていますが、いくつか特徴的なものをご紹介いただけますか？

砂川先生：今回は、特徴の異なる3つの紅茶を紹介したいと思います。

 

【スキティー】

G8サミットで各国首脳にサーブされた紅茶です。一口飲むとまろやかながらも口の中で両側に広がる心地よい引き締まったお茶感を感じます。

ブレックファスト系といっても、透明感もあり少しフルーティーさもあります。抽出した後も茶葉からフルーティーな香りがします。

ミルクとの相性はとてもいいですが、ミルクを入れなくても美味しく飲めるタイプです。合わせる食べ物は全般に何でも合います。お茶自体に透明感もあるので、フルーツなどにも合いそうです。

写真：「スキティー」ベルファストブリュー＜リーフ＞

【エディンバラ ティーアンドコーヒー カンパニー】

まろやかながらも、濃さとはまた違う美味しさに繋がる深みとコクを感じる紅茶です。もちろんミルクにもよくあいます。

スコットランド地方の軟水に合わせてブレンドされていますが、スコットランドと日本は水の硬度がほとんど同じなので、日本の水道水で淹れると本国に近い味わいが楽しめます。

スコーンやショートブレッド等、英国菓子全般によく合います。

写真：「エディンバラ ティーアンドコーヒー カンパニー」リーフティー スコティッシュブレックファスト

 

【ピコ・ティー・エディンバラ】

パッケージを開けた時に シングルエステート(単一茶園)へのこだわりを感じるお茶のいい香りがします。

軽く上顎にくる心地良い渋みとしっかりとしたお茶感は、食事系にもよく合いチーズやローストビーフ等にも合いそうです。

ダークチョコレートやクロテッドクリームたっぷりのスコーンなどにもいいですね。

写真：「ピコ・ティー・エディンバラ」ブレックファストブレンド(リーフ)

英国紅茶を語る中で外すことの出来ない「イングリッシュブレックファスト」。

現在ではたくさんの種類があり、味とともに興味がどんどん湧いてくる紅茶です。

素敵な紅茶時間をお過ごしくださいね。

〈砂川純子プロフィール紹介〉

元ANAのキャビンアテンダントで現在は紅茶インストラクターとして活動。

英国領事館や日英協会関連イベント、百貨店などのセミナー講師、また学校でマナー講演など積極的におこなう。

YouTube「阪急うめだ本店催しチャンネル」で美味しい紅茶の淹れ方のコツを公開中！

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