1/25(水)から、3F コトコトステージ31にて開催するイベント"HANKYU.MODE GALLERY"。に出店する、「D.W.M.(ディーダブリューエム)」チーフブランディングオフィサー 中昌幸さんにHANKYU.MODEがインタビュー。
ダーウィンが著書"種の起源"で述べている、"Descent With Modification(変化を伴う由来)"という言葉から名づけられたスキンケアブランド「D.W.M.」。"肌を甘やかさない"というコンセプトで作られるスキンケアアイテムについて伺いました。
(大阪・堀江のヘア、ネイル、アイラッシュ、エステサロン「iki」。内装は「D.W.M.」のクリエイティブディレクションを担当している、柳原照弘さんによるもの)
――スキンケアブランド「D.W.M.」を立ち上げられたきっかけは、何だったのでしょうか。
サロンの2Fで、エステを始めたのが分岐点だと思います。エステを作ったことで、エステやクリニック専売品の取り扱いができるようになって。今まで取り扱ってきた商品と質が全く違って驚いたんです。基礎化粧品にそんなに違いがあるとは知らなくて。色々な商品を扱っていくうちに自分でも作りたくなったんです。
エステ専売品は質のいいものが多い反面、中身にだけフォーカスされていて、香りやデザイン、価格とのバランスが悪いものが多いなと感じていました。それに、"エステ専売品"という囲いがあることで、世に広めるのが難しいなと。もっとアートのようなパッケージで手にとってテンションが上がるものを、中身はエステスペックで長く使える、本当にいいスキンケアアイテムを作りたいなと思ったんです。
――シンプルで遊び心のあるモノグラムで洗練されたパッケージ、確かにとってもテンションが上がります。
ヘアサロンのお客様であり、サロンの内装もやっていただいている柳原照弘さん(※1)にクリエイティブディレクションをお願いしました。パッケージデザインは、柳原さんが国際的なプロジェクトでよくタッグを組んでいるという、デンマーク・コペンハーゲンのデザインスタジオ"オール・ザ・ウェイ・トゥ・パリス"(※2)へ依頼しました。プレゼンを受けにデンマークへ行ったのですが、受けたプレゼンが鳥肌が立つくらい素敵で。自分の求める世界観を理解してもらえる、10数年の付き合いになる柳原さんに頼んだのでうまくいったのだと思います。
※1 柳原照弘…デザイナー。2002年に自身のスタジオを設立。デザインする状況をデザインするという考えのもと、大阪とフランスを拠点に、国やジャンルの境界を超えたプロジェクトを手がける。
※2 オール・ザ・ウェイ・トゥ・パリス…タニア・ヴィーべとペトラ・ゲントによるデザインスタジオ。共にデンマーク王立美術院卒業。在学中から様々なプロジェクトに携わり、2004年、コペンハーゲンでスタジオを立ち上げた。グラフィックデザインのほか、展示会やプロダクトデザインも手がける。
――パッケージの鮮やかなイエローカラーは、どのように決まったのですか?
最近トレンドのスキンケアブランドは、グレーやアースカラーを使っていることが多く、すでに認知されているブランドと同じように見られるのはよくないなということで、全く異なる色のイエローを提案されたんです。パッケージの紙の質感にもこだわりました。ジェンダーを問わず、プレゼントに向いている華やかさがありますよね。
――次は商品について、お聞きしたいと思います。たくさんの基礎化粧品に出会ってこられたかと思いますが、中さんがこだわったポイントは何でしたか?
ある時、微弱荷電製法が使われている化粧品に出会いました。水に界面活性剤の力をもたせることで、水と油を界面活性剤なしで乳化させることができるんです。こすらなくていい、摩擦のリスクのないスキンケア。その品質に感動し、開発者のもとを訪ねました。自分がとにかく質にこだわったスキンケアアイテムを作りたい、という相談をしたところ、職人気質な開発者の方は、とにかくいいものを作りたいという人は少ない、久しくそういう話はなかったと喜んでご協力いただくことになりました。
「D.W.M.」は、使い続けることで実感できる、肌を甘やかさないというコンセプトを掲げています。微弱荷電製法を使うことで、成分にすべて違った電気を付加し、肌の表面に留まってほしいもの、角質層まで行ってほしいものにはそういう電気信号を帯びさせることができるんです。また、「D.W.M.」のプロダクトは防腐剤の使用を可能な限り低減しました。
――そしてもうひとつ、こだわりに入れられていた香りについても伺いたいです。
柳原さんからの繋がりで、和泉侃さん(※3)を紹介していただきました。淡路島で初めてお会いし、かなり話が盛り上がって。パッケージも中身もこだわった商品なので、香りもこだわりたい、天然成分のみで作りたいと思っていると、コンセプトの話をしたところ、和泉さんがじゃあ、植物の進化論通りにいきましょうとパッとアイデアを出してくれたんです。スキンケアラインは通常、ひとつのラインの中で香りをそれぞれ変えることはないんですが、「D.W.M.」では基礎化粧品のアイテムごとに香りを分け、ラインで使うことにより、香りで植物の進化論を体感できるようにしました。それぞれ、藻、苔・シダ、森、花、イネ・シトラスをイメージした香りで、はじめは重い香りから、徐々に軽い香りへと、最後まで香りが残り、レイヤードを楽しんでもらえます。
今回イベントに出店することになったのは、和泉さんからのご紹介がきっかけ。大阪発のブランドなので、かねてから大阪でポップアップをやりたいと思っていたし、大阪なら阪急百貨店でやりたいと思っていたので、とても楽しみです。たくさんの方にぜひお試しいただきたいですね。
※3 和泉侃…インスタレーション、香りのデザイン&ディレクションを行うアーティスト。"感覚の蘇生"をコンセプトに、身体感覚の変化を生み出す作品を探求している。 2011年から香りを使ったスペースデザインを専門とする企業に所属し、5つ星ホテルや様々なジャンルの店舗空間を香りで設計するプロジェクトに携わる。 2015年により本格的に作家として活動を開始し、インスタレーションの制作発表のほか、空間や製品における香りのデザインやディレクションを手がける。 2017年に淡路島に拠点を移し、植物の生産、収集、蒸留などの原料製造から、調香やボトリングのプロダクトアウトまでの過程を一貫する取り組みをはじめる。
左)界面活性剤を極限まで少なくし、無駄なものを省いた、美容成分を豊富に含んだノンオイルクレンジング。顔に薄く伸ばしたあと、擦らなくてもメイクが落ち、やさしく肌を清浄にします。藻をイメージしたバジル・ジュニパーベリー・パチュリの香り。
クレンジングリキッド ウィズ モディフィケーション(140ml) 7,550円
右)ほぼ美容成分でできた、洗いながらうるおいを保つフェイスウォッシュ。泡だてネットに入れ、弾力のあるもちもちとした泡を顔の上に転がすように置いて、30秒から1分ほどパック。古い角質を落としたい時は、顔の表面を泡でやさしく擦って。苔・シダをイメージしたオークモス・アンジェリカルート・ベチバーの香り。
フェイスウォッシュ ウィズ モディフィケーション(140ml) 7,550円
左)みずみずしいうるおいを肌へと導き保つ、乳液と美容液の役割を果たす2wayエマルジョン。可憐な花をイメージした、ローズゼラニウム・ネロリ(オレンジフラワー)・マジョラムの香り。
エマルジョン ウィズ モディフィケーション(140ml) 9,440円
中)良質な水を用いた基材で、うるおいを肌へと届けるトナー。角質層に水分を与え、表面はさっぱり。乾燥しやすい方は、何回かに分けて、角質層全体に浸透させるようにつけてください。森をイメージした、ブラックスプルース・パイン・シダーウッドの香り。
トナー ウィズ モディフィケーション(120ml) 7,550円
右)つやとハリを与え、透明感のある明るい印象の肌に導くエッセンス。ピンク色は、アスタキサンチンの色。イネ・シトラスをイメージした、リトセア・フランキンセンス・ミルラの香り。
エッセンス ウィズ モディフィケーション(50ml) 12,220円
1/25(水)~31(火)には、店頭にて「D.W.M.」のスキンケアコレクションを体験いただけます。どうぞお楽しみに。
中昌幸
「D.W.M.」チーフブランディングオフィサー。大阪・堀江のヘア、ネイル、アイラッシュサロン「Vendange(ヴァンダンジュ)」、ヘア、ネイル、アイラッシュ、エステサロン「iki」のオーナー。居酒屋「最高ピーポーOSAKA」も手がける。