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年神様を家にお迎えし、祀るという意味のあるお正月行事。門松や、鏡餅、しめ飾りを準備する慣習には、神様を歓迎し心を込めてお迎えしたいという想いがあります。そんなお正月飾りも、現代ではインテリアとして楽しめるものや、繰り返し使えるものなど多種多様。今年はどれにしようか、と悩まれているあなたへ。“#阪急大人の学び”から自分で作るお正月飾りをご提案。こだわりのお正月飾りを制作する作家から、意味や歴史を学び、想いを込めて作るオリジナルの作品。きっと特別なお正月飾りになるはずです。“良い新年を迎えられますように”と想いを込めて。
阪急うめだ本店では、お正月飾りが作れる様々なワークショップをご用意しております。その中から個性光る4名の作家へインタビュー。新年を迎える準備がもっと楽しくなるようなお話を伺いました。
※お申込み開始後はすでに満席の場合がございます。ご容赦くださいませ。
【なう。いなわら。自分の手で作るしめ飾り】
◎12月2日(土)、16日(土)各日 午前11時~、午後1時15分~、午後3時~(各回約90分)
◎10階『うめだスーク』北街区「スーク暮しのアトリエ」
◎参加費 3,850円
◎定員 各回先着4名様
【干支"辰"張り子絵付けワークショップ】
◎12月13日(水)午後1時~、午後3時~/12月14日(木)午後1時~(各回約60分)
◎場所 7階 コトコトステージ71
◎参加費 3,850円
◎定員 各回先着4名様
【decora works お正月のしめ飾り】
◎開催日時 12月26日(火)午前10時30分~、午後1時30分~(約90分)
◎10階『うめだスーク』北街区「スーク暮しのアトリエ」
◎参加費 5,500円
◎定員 各回先着4名様
【"和工房 包結"水引で作るたつの箸袋】
◎ 12月15日(金)、18日(月)各日午前11時~、午後1時~(各回約60分)
◎10階『うめだスーク』北街区「スーク文具店」
◎参加費 2,750円
◎定員 各回先着4名様
◆個性光る4名の作家へインタビュー
お話を伺ったのは、素朴で力強いしめ縄飾りを制作する「わらじあーむ。」の慈観雅之さん、思わず笑みがこぼれる可愛い張り子細工を作る前田ビバリーさん、ハレの日だけでなく暮らしに馴染む水引作品を作る「和工房 包結」森田江里子さん、そして植物の魅力を活かした制作が素敵なフローリスト「decora works[(デコラワークス)」の土出みきさんの4名。イベント期間中、各階で講師としてお正月飾り作りワークショップを開催します。
画像1番目)「わらじあーむ。」作家 慈観雅之
わら細工に出会い独学で制作。2019年Marriott Internationalに作品を納品。Fairfield by MARRIOTT HIRUZEN Hotelにて常設展示中。「TAKUMI NEXT2022」に次世代のものづくりを担う「匠」事業者として選出。2023年日経MJ新聞にて紹介。
画像2番目)張り子作家 前田ビバリー
長崎県出身。大分県立芸術文化短期大学 美術科油画専攻を卒業後、張り子作家・荒井良氏に師事し、日本全国に残る伝統的な張り子や郷土玩具の技法を学ぶ。その後東京を拠点に張り子作家として活動開始。アルバイトをしながら創作活動を続け、NHKや読売、三越伊勢丹、高島屋などのカルチャースクールで教室を開く。テレビや新聞、雑誌などのメディアでも取り上げられ、2017年グラフィック社より『おもしろ張り子』出版。現在は百貨店や東京、大阪、京都、ロンドン等の様々なギャラリーで毎年張り子の展示販売を行う。
画像3番目)「和工房 包結」水引作家 森田江里子
東京都出身。女子美術短期大学服飾科卒。日本書道専門学校卒。美術・日本文化への関心から水引にたどり着く。
2007年、和工房 包結を設立。京都に拠点を移す。水引作家・講師として、京都を中心に水引の魅力を発信している。著書に「季節をむすぶかわいい水引」(ブティック社)他がある。
画像4番目)「decora works」フローリスト ⼟出 みき
ファッションスタイリストから花の世界へ飛び込み20年以上の経歴を持つ。撮影、ブライダル、ディスプレイ装飾をメインに活動を始める。オーダー制にこだわりアレンジや花束などを受注。個人、企業へのワークショップ、子供たちの花育、専門学校の講師もこなす。現在、社会問題にもなっている廃棄のお花を出さないフローリストを目指す。規格外のお花や廃棄されるお花をアップサイクルしてドライフラワーにしたりキャンドル制作、イベントの装飾などを手掛ける。
◆お正月飾りに込められた意味
――ワークショップで制作するお正月飾りには、どのような意味や想いが込められていますか。モチーフやデザイン、名称の意味など教えてください。
当日、3種類からお選びいただける「わらじあーむ。」のワークショップ作品。
(画像左)『眼鏡』タイプ:難易度 ★★★(画像中央) 『雫』タイプ:難易度 ★(画像右)『鶏』タイプ:難易度 ★★
「わらじあーむ。」慈観さん(以下、慈観):今回のワークショップでは3種類からお選びいただきます。“眼鏡”タイプは、岡山県に多いしめ飾りで見通しのよい一年になるようにという願いがあります。“雫”タイプは草木から落ちる一滴の雫に思いを馳せる、わらじあーむオリジナルしめ飾り。“鶏“タイプは人気のモチーフで“福をとりこむ”ということで“良い知らせを伝える生き物”として商売繁盛の縁起物です。
起き上がり小法師のように、転んでも立ち上がるという意味の込められた前田ビバリーさんの作品。
前田ビバリーさん(以下、前田):ワークショップでは来年の干支である辰をモチーフにした起き上がり小法師の張り子を皆様と一緒に作っていきます。起き上がり小法師のように転んでもすぐに立ち上がり、龍のように高く登ってゆけるような想いを込めました。今年も楽しいこと大変なことあったな、来年はどんな年にしようかな、旅行に行こうか、習い事はじめてみようかなど色々な願いを込めて、干支の辰張り子をぜひ作ってみて下さい。
水引で立体的な龍が施された「和工房包結」森田さんの箸袋。新年の食卓を華やかに。
森田江里子さん(以下、森田):ワークショップで作っていただく祝箸の箸袋は名前を書いて使えるよう白地で作り、干支をあしらいます。お正月に使う祝箸には大晦日に家長が名前を書き入れ、神棚にお供えし、お正月の朝に家長が神棚から下ろし使用すると言われています。両端が細くなっているのは、片方は自分が使用し、もう片方は神様が使い、神様と共に食事をすることで一年間ご加護が得られると言われています。そして食事後には自分で洗い清め、自分の名前が書かれた箸袋に収めて三が日使います。
縦長のラインがおしゃれな「decora works」のしめ飾り。末永い幸福を願う意味が込めて。
「decora works」土出さん(以下、土出):制作するしめ飾りのデザインはあえて縦に⻑い形を意識して制作します。福が今年も⻑く続きすように・・・の想いを込めております。デザインや素材を工夫し、お正月ならではの縁起のいい意味の込められた作品。ぜひワークショップに参加し、作家本人から直接その想いを聞いてみてください。
◆手作りの魅力
――お正月飾りは市販のものも多くありますが、自分で作る良さはどのようなことでしょうか。手作りの良さについて教えてください。
「わらじあーむ。」の作品は稲わらを撚り、重ね合わせ縄にしていく“綯う”作業をメインに作られていく。
慈観:年神様をお迎えするしめ飾りは、昔は各家庭で作られていました。しめ飾りを作る行為とは、そこに今年の感謝と来年への願い、祈り、そして人間の力が遠く及ばない存在、自然や神への畏怖の念や感謝がそこにはあり、天と地の繋がりを感じる時間だったのではと思います。私たちが忘れてしまった大切な何か。大切な感覚。そんな癒しの時間も良さのひとつかもしれません。
前田さんの作品の絵付けの様子。一筆ずつ丁寧に制作する。
前田:手作りの良さは、機械による大量生産とは異なり、その時の気候や素材の状態であったり、筆のニュアンス、和紙のちぎり方や貼り方によって一個一個全て異なる風合いや質感のオリジナル作品となります。またそうした自分だけのオリジナル作品を様々な試行錯誤しながら作る過程も楽しさの一つです。
森田:祝箸の箸袋を作るとき、今年は何人分作ろうか、、などとお正月を共に過ごす人たちが浮かぶと思います。会えることを楽しみに、想像しながら穏やかな制作時間を過ごすことができるのではないかと思います。
土出:使⽤する花材は全て⽣(フレッシュ)を使⽤しますので、⽣きているものを触れながら制作すると⾃然と愛着もわきます。ネットでも簡単に買える時代で同じしめ飾りを飾っているシーンは良く⾒られます。⼿作りであればそれぞれの飾る場所を考えながら制作するので同じ花材を使⽤しても⻑さや幅も変わり世界に⼀つのしめ飾りとなるところが⼿作りの良さだと思います。
◆素材、技法、様々なこだわり
「decora waorks」のワークショップ作品。農園から直送の”おりはら南天”は実が大きく艶やか。
――ご自身がお正月飾りを作られる際に、素材やデザインなど、特にこだわってらっしゃることがあればお伺いしたいです。
慈観:稲わらは仲良くさせていただいているご夫婦の農家さんが蒜山で、大変な作業の自然農で精魂込めて育てた稲わらを使わせていただいております。デザインのこだわりとしては、装飾はなるべくシンプルにわらの部分が活きるよう心がけ、斬新になり過ぎず、どこか和を感じるものを意識しております。
前田:私の張り子は和紙とでんぷん糊、胡粉、膠を使った伝統的な技法を用いて全て一人で制作しています。私は郷土玩具や素朴絵、絵巻物の見ているだけで和んでくる丸っこくぽこぽこした形や、おおらかな絵付け、やわらかな線がとても好きで、憧れを持っています。私の張り子のデザインはそういったものを根っこに、シルエットはやわらかなイメージで作って、そこに角や耳、手足尻尾など、ところどころに少し凹凸表現をつけ、丸っこい中に少しの印影を出しています。絵付けは自然な筆の緩急や流れを大切にしています。
森田:かわいい、と思うような、見て笑顔になるようなものづくりを心がけています。
土出:こだわりは新鮮で⽣であること。特に使⽤する南天は毎年お世話になっている農園から直送で「おりはら南天」と呼ばれ、通常の南天より実の⼤きさも⼤きく艶もあり、もうこれだけで福が来そうな縁起のいい南天です。この時期しか⾒られないこだわりの花材です。
「和工房包結」”向かい鯛の箸置”(2個セット)税込み1,760円
――今回のイベントにお越しいただくお客様に、ぜひメッセージをお願いします。
慈観:日本の精神性や美意識の根幹にしめ縄、しめ飾りはあるように私は思います。そのような部分を商品やワークショップで体感頂き楽しんで頂けたら嬉しいです。またワークショップではしめ縄、しめ飾りの話もさせて頂きますのでしめ飾り作りだけでなく、トークの部分もお楽しみ頂けたらと思います。そして自分の手で作ったしめ飾りで、または「わらじあーむ」のしめ飾りで良き1年をスタートしていただけたら幸いです。お越しいただくの楽しみにお待ちしております。
前田:今回のイベントに合わせて、様々な形の龍を作りました。自分の干支が辰なので特に力いっぱい作っています。招き猫や福助、お多福、犬張り子など縁起物がモチーフの張り子もたくさん制作しています。私は伝統的な素材と技法で張り子のデザインから、型作り、和紙張り、型からの和紙はがし、胡粉と膠の塗り重ね、絵付け細工の完成までの工程を全て1人で行っています。同じ型から作った張り子も和紙の張り方、胡粉の塗り方で少しずつ違い、絵付けも少しずつ表情が変化します。宝探しのような気持ちで、お気に入りの張り子をぜひ見つけてください。
森田:お祝いには欠かせない、縁起の良い水引。“結び“ ”縁結び”、人と人とのつながりを願い水引を結んで新年を迎えるお正月支度を、作品を作ったり見たりして楽しんで準備していただけるようにと思っています。
土出:ドライフラワーや造花で作られたしめ飾りも素敵ですが年に⼀度、新しい年を迎えるにあたり、普段あまり⾒ることも触れることもない⽣の花材で制作する時間はとても貴重です。お忙しい時期だからこそ⼀度⼿を休められて、しめ飾りを制作するお時間を作っていただき、⾃然の花材たちに癒され、オリジナルの素敵なデザインのしめ飾りを作るお⼿伝いをさせていただきます。
――ありがとうございました。みなさま、個性光る作家との出会い、手を動かす愛しい時間をぜひお楽しみください。
◆その他にも満載。お正月飾りづくりワークショップ情報
お話を伺った4名の作家以外にも、各階で素敵なお正月飾りが作れるワークショップを開催します。
7階 コトコトステージ71では、繊細なお正月飾りが作れる体験をご用意。可憐な小花が美しい作品(画像上)の制作を体験できるのは、アートプロダクトブランド「雨」を手掛ける美術作家・華道家の亀井紀彦が開催するワークショップ。浮石または桐箱に小花を挿して自由に景色を作っていただきます。小花をピンセットで1本ずつ挿していく作業にきっと夢中になるはず。
【「雨」景色を作るワークショップ】
◎12月13日(水)午前11時~、午後5時~ 12月16日(土)午後1時~、午後3時~(各回約90~120分)
◎7階 コトコトステージ71
◎参加費 8,800円
◎定員 各回先着4名様
さらに、伝統的な技法を学ぶことが出来るワークショップ(画像中央)も。石川県にておよそ110年の間、作陶を続けてきた九谷焼上絵付を専業とする窯元「錦山窯」。今回、九谷焼の技法のひとつ、金箔を切り取って器面に貼り付け装飾をする“金襴手(きんらんで)“という技法をもちいてオリジナルの陶筥(とうばこ)の制作を体験いただきます。大切に受け継がれてきた伝統的な技法を学び、繊細な作業に没頭する時間をおたのしみください。
【九谷焼の伝統技法で彩る”金襴手体験”】
◎12月23日(水) 午後2時~、午後4時~(各回約60分)
◎7階 コトコトステージ71
◎参加費 16,500円
◎定員 各回先着4名様
「森と共生する暮らし」をテーマに、長く使える家具作りを行う工房“オークヴィレッジ”。そんな自然を敬う工房から、自然素材や木の実を使ったナチュラルなお正月スワッグをご提案。(画像下)和にも洋にもよく馴染みます。ポイントとなる飾りつけの水引も手作りしていただきます。自然の素材に触れる時間はやすらぎを与えてくれますよ。ライカから新発売されたアナログとデジタルの要素が融合した ハイブリッドインスタントカメラ「ライカ ゾフォート2」での撮影体験会も同時開催。ご参加いただいたお客様には、プリントした手作りスワッグの写真をお持ち帰りいただけます。
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