◎4F
★【内田祐子 ふわはね絵本のお部屋】★
『めっきらもっきら どおん どん』福音館書店
長谷川 摂子(作)/降矢なな(絵)
夏休みも終わりが見えてくると不安な気持ちになっているお子さまも多いのではないでしょうか。
ちょっぴりのドキドキを安心安全の中で楽しむ。絵本を読んでゆったりと体と心の準備をしていきたいものです。
今回はこちらを
『めっきらもっきらどおんどん』
それはこんな始まり
あそぶ ともだちが だれも いない
みんな どこへ いったのかな?
(p1本文引用)
森の中のお宮までやってきたかんた。でも誰もいません。
しゃくになってかんたは大声でめちゃくちゃの歌をうたいます。
ちんぷく まんぷく
あっぺらこの きんぴらこ
じょんがら ぴこたこ
めっきらもっきら どおんどん
するとどどーっと風が吹いて奇妙な声。どうやらカンタを呼んでいるようです。
耳を澄ますと、声はお宮の大きな木の穴の中から。かんたが覗き込んだその途端、ひゅうっと穴に吸い込まれ…
とても不思議なお話です。着いたところは夜の山。へんてこりんな3人組。もんもんびゃっこに、しっかかもっかか、そしておたからまんちん。3人とかんたは仲良しになり時間も忘れて遊びます。
夜になり、みんな寝てしまいます。月を見ていたかんたは心細くなってきて…。行きて帰りし物語。気づくとかんたはぼんやり大きな木のところに。お母さんの呼ぶ声がする。この最後があるからこそ、また楽しみたくなる。
読んでいると子どもたちがぐっとお話に入り込んでいくのがわかります。
呪文のような不思議な言葉が子どもたちを惹きつけます。この世と不思議な世の境界線の曖昧さ。この絵本の凄さは子どもたちの反応でよくわかります。
読み終わった後に「もう一回!」とおかわりをおねだりされる大人気の一冊。
安心安全の中で思いっきりちょっぴり怖いを楽しめる、不思議を面白がれる子に。
それが力となりちょっぴり不安な気持ちの背中を押してくれる。そんなことがあるのかもしれません。
※読み聞かせ時間目安 5分15秒
<プロフィール>
絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持されフォロワーが15,000人を超える。
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