2022.9.6
◎1F
楽しかった夏の思い出と重なるように
季節が秋へと一歩進んだ風の変化を感じます。
さて、9月9日は五節句のひとつ、「重陽の節句」です。
縁起が良く、格が高い数字の奇数が重なるめでたい日とし、
長寿を祈願する日。
「菊に祈り、栗を食べる」と言われ「菊の節句」また「栗節句」とも
呼ばれること。
興味あり参加させて頂いている節句の学びで教えて頂きました。
今より1ケ月程遅かった旧暦、そしてまだ異常気象もなかった昔は、
栗も菊の花も旬を迎えていたのでしょうね…
秋の味覚が出回る季節はもう少し先。
それでも、やはり節目の季節を思い出し
何か少しでも取り入れてみる事は素敵だなと思っています。
菊
刺身の彩として良くみかける小菊、大輪の黄色の菊（安房宮）、
紫色の菊（延命楽）と地方によって別名の呼び名もあるようです。
20年近く前に青森県ご出身の方から頂いた干し菊で、
菊の風味とやさしいハーブにも似たその独特な美味しさを知りました。
10月の盛りを迎えた菊の花びらを蒸し、その後乾燥されたのが香り良い干し菊。
そのままほぐして加えたり、生菊同様さっと茹でて使います。
八重の大輪の菊の中心を親指で中心を軽く押さえながら、周囲の花弁を摘み取ります。
中心は少し苦味が強いので除きます。
さっと茹でます。その際、酢を少々加えると色止めになりますが
風味が少し変わるので絶対ではありません。
冷水にとり、ぎゅっと水分を絞って使います。
お浸し、和え物、酢の物や、お吸い物に加えたり、
出汁に混ぜとろみをつければ、菊花あんとしてレンコン饅頭やお豆腐にかけたり、
またご飯やおかゆに添えるだけでも季節を楽しめます。
日持ちはしませんが、茹でて甘酢に漬けておけば
魚や肉の照り焼きに添えたり、寿司に混ぜたり、と1週間程は便利に使えます。
もちろんサラダに散らしたりと生のままたっぷり使っても！
シャキシャキとした歯ごたえ、香りと彩りと華やかさに加え、
抗酸化作用が期待できるビタミンＥ，ビタミンＣ等まんべんなく含まれ、
殺菌・解毒、香りの癒し効果も期待されている食用菊は添え物だけで終わらせるのは勿体ない！！！
重陽の節句の前日8日、菊に真綿をのせる「菊の被せ綿」。
翌日9日に菊の香りのついたその綿で身体を洗うと無病で長寿になるとの
言われだそうです。
そろそろ、夏の疲れも出いやすい頃。
お風呂に菊の花を浮かべ香りの癒しを楽しむのもひとつかしら。
＜プロフィール＞
伊藤 由香 （いとう ゆか）
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、
自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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