◎4F
【内田祐子 ふわはね絵本のお部屋】
10月19日より開催されていました絵本作家きたむらさとしさんの絵本原画展。
たくさんの方にお越しいただき大好評のうちに終了されました。
私も最終日、お伺いしてきました。
70点以上の原画や、下絵などをおさめたファイルも!奥様で絵本の編集を長年されていらっしゃる松田素子さんもいらっしゃり、とても丁寧にご説明いただきとても贅沢な時間を過ごさせていただきました。
今回一番私が楽しみにしていたのは『ミリーのすてきなぼうし』の原画でした。
小学校2年生の教科書にも載っているこの作品。
いつもこの絵本を読むと、勇気と力をもらえる気がします。
『ミリーのすてきなぼうし』BL出版
きたむら さとし(作)
少しあらすじをお話ししたいと思います。
それはこんな始まり・・・・
ミリーは がっこうのかえり、ぼうしやさんの まえを とおりました。
ウィンドーには たくさん ぼうしが ならんでいます。
ミリーは なかでも いろとりどりの はねのついた ぼうしが きにいりました。
(p4本文引用)
お店に入り羽根のついた帽子を見せてくださいと頼みました。
店長さんは「はい、ただいま」とその帽子を持ってきてくれました。とても気に入ったミリーは買うことに決めましたがそのお値段。なんときゅうまんきゅうせんきゅうひゃくきゅうじゅうきゅうえん!
ミリーはおさいふを取り出して中身を見てみました。少し足りないようです。
「どのくらいのお値段のものがよろしいでしょう?」店長さんはたずねました。ミリーはおさいふを開いてみせました。なかは空っぽ。「はあー、そのくらいですか…」天井を見上げる店長さん。ミリーも一緒に見上げていると「あっ!あります!」店長さんは突然大声をだし、お店の裏から箱を手に戻ってきました。
さぁ、ミリーは無事帽子を手に入れることはできたのでしょうか。
想像の翼はどこまでも羽ばたき、誰だって持っていてどこにだっていける。
きたむらさとしさんの揺るぎない言葉と絵の力でしっかりと地に足をつけたお話となっていて。
ミリーも素敵だけれど、周りの大人たちもとっても素敵で読むたびにこうありたいといつも思います。
そしてその原画は繊細なタッチと色使いの中にも力強く。
引き込まれました。
画材や描き方なども直接、きたむらさとしさんに教えていただき、しっかりサインもいただいて原画展会場を後にしました。
絵本は誰がどんなふうに読んでもいいと思っています。
作家さんの想いを絶対に知る必要もないし、受け止め方は人それぞれだと思っています。
でもその背景を知ることで、その作品がより豊かに心に届きます。
なによりそのお話がより好きになります。
こうして気軽に原画見たり、作家さんと会える機会はとても贅沢で貴重な時間だと思います。
幼い頃より本物をみるというのは、私はとても大切なことだと思っています。
芸術の秋。原画展などを見に、美術館などぜひ足を運んでみらせませんか。
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<プロフィール>
絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持されフォロワーが15,000人を超える。
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