◎4F
【内田祐子 ふわはね絵本のお部屋】
この季節の散歩の楽しみは冬芽探し。
あっ、ここにもあそこにもおります、おります。冬芽さん。
目が合うあの子は誰かしら。
おうちに帰って本棚かなひっぱりだすのはこの絵本。
文/長 新太
写真/ 冨成 忠夫 茂木 透
『ふゆめがっしょうだん』/福音館書店
冬芽とは落葉した葉の枝がついていた跡。
冬の木の芽たちが、表情豊かに話します。歌います。
みんなは
みんなは
きのめだよ
はるになれば
はがでで はながさく
パッパッパッパッ
ゆきよ
こおりよ
さようなら
はやく はるが
こないかな
パッパッパッパッ
写真の中の木の芽と言葉がとてもよくて、楽しくなって、読んでいると1歳の子までが「パッパッパッパッパッ」と、読んだ言葉をくりかえします。
さすがなんて言うとおこがましいが、さすがの長新太さん。
我が家の娘たちも大好きだった絵本で、幼かった頃、近所を「ふゆめちゃん♪ふゆめちゃん♪」と言いながらお散歩しながら探していました。子どもはこうやって、豊かな言葉を耳で聞き、目で見て自分のものにしていくんだなあと身をもって体験できた絵本です。
写真絵本は、生活、科学、環境とつながり、学び深く私は大好きな分野です。
リアルな現実と結びつく作り物ではな嘘のない世界。
それは一生かかっても見ることもできないような世界から、おうちの前の公園の一本の木の芽のようなものまで。
しかしこれもまた、絵本に出会わなければ、足を止めることもない世界。
幼い子の手をつなぎ、どうぞ冬芽を探してみてください。
その小さな手を繋ぎぶらぶらと歩く日々はそんなに長くは続きません。
春はもうすぐそこに。その冬芽が春に向けてどうなるのか。
それもまた見守って行けたらと思います。
お散歩で見つけた“ふゆめちゃん”です♪
<プロフィール>絵本のつなぎて ふわはね(内田祐子)
絵本を描く人作る人読む人読んでもらう人を繋ぎたいと関西を中心に活動を続ける。絵本で作る扉や広がる世界を楽しもうと絵本の紹介や絵本がある暮らし、親子の時間が楽しくなる発信をと綴るインスタグラムは子育て中のお母さんや幼児教育に携わる先生方に支持されフォロワーが15,000人を超える。
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