◎1F
まだ残る厳しい寒さですが、2月は春の始まりです。
立春の前日の節分。
家中の窓を開けて、空気も入れ替え。
鬼は外、福は内♪の元気な豆まきで、明るい春も呼べると良いですね。
春の七草のひとつ「セリ」。
特有の香りのミリスチン、カンフェン、リモネンなどの精油成分には、健胃・解熱・解毒・発汗などの作用が期待され、カロテン、ビタミンCなどビタミン類や鉄分も豊富に含まれます。
新芽が競り合って育つことから“競争にも競り勝つ‼”と言われます。
無病息災、長寿を願う七草でもあり、これから迎える受験生にとっても元気を応援する野菜のひとつとなりますように。
秋田県湯沢市の三関地区で栽培される「三関せり」は長く伸びた根までも美味しく頂くことができます。秋田では郷土鍋のきりたんぽ鍋には欠かせないそうですよ。
高知県の四万十せりや大分県のせり等、やさしい陽射しのハウス内の水耕栽培で育ったせりは、茎も葉も柔らかく生のままサラダや和え物等、万能で大変使い易いです。
さっと湯通ししたせりを細かく刻み、炊き立てごはんに混ぜたせりご飯は、色鮮やかな緑が美しく優しいせりの香りと重なり大変美味しいです。
以前イベントにて口にした高知の四万十せりと、スポーツドリンクをミキサーにかけたせりのスムージーは爽やかさがクセになる美味しさで元気を頂きました。
さて、節分と言えば出ていった鬼が再び入って来ないよう柊イワシを飾ったり、邪気払いにイワシを食べたりする習わしがあります。
恵方巻の汁物として、いつ頃からか我が家で節分献立の定番となったセリとイワシのつみれ汁。フードプロセッサーを使えばふんわりと、小骨も気にならず仕上がります。セリは火を通し過ぎず、シャキシャキ感を楽しむのがお気に入りです。良ければ是非お試し下さい。
■セリとイワシのなめらかつみれ汁
【材料2~3人分】
イワシ大3尾(小さめ6尾)200g~250g程
木綿豆腐100g(70g程に水気を切る)
ショウガ1片(すりおろす)
砂糖大さじ1/2
味噌大さじ1
片栗粉大さじ1
セリ(三関セリ)1袋
白ネギ1/2本
出汁600ml
一味適宜
【作り方】
①豆腐はキッチンぺーパーに包み軽く重しをのせて水気を切る。(またはペーパーで包み電子レンジで30秒加熱し粗熱を取る)
②イワシは手開きにする。(中骨、尾、大きければぜいごを外す)イワシ、豆腐、Aをフードプロセッサーにかける。
③煮立った出汁に、②をスプーンで一口大にして落とす。
※スプーンを水にぬらしながら、手の平には少量の油を塗っておくと綺麗な形で落とせます。
④灰汁をとり、白ネギ、(あれば)セリの根を加え火を弱め3~5分程煮る。
⑤葉の一部と茎と加えひと煮させる。器に入れ、生のセリの葉を添え一味をふる。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。