◎1F
桜の木々から若葉が芽吹き、山を見上げれば鮮やかな緑に彩られています。
その様子を「山笑う」とは、雅な素敵な言葉です。
トマトと言えば夏をイメージされる方も多いと思いますが、実は春のトマト旬のひとつとも言われる程美味しい季節。
過日届いた箱の蓋を開けましたら、トマトが可愛く微笑んでいました。
■トマト
トマトの色付きは積算温度が関係しています。
地温、水温もありますが、気温との関係で見てみると花が咲いてから果実が少しずつ大きく赤く色づいて収穫を迎えるまでに1000℃~1200℃と言われています。(大玉、ミニトマト等違いはあります)
春は花冷えと言われるように、夜は気温が下がり昼夜の寒暖差があり、日中の穏やかな気温の中ゆっくりと成長していきます。
樹上に実っている期間も長い為、うま味、甘味と酸味のバランス、コクの深さ等、夏とはまた一味違う、春の美味しさが生まれるのです。
トマトと言えば赤い色素のリコピンが豊富。実は大玉よりもミニトマトの方が多く含まれていると言われます。メラニンの生成を抑制してくれるパワーの期待高いリコピン。
紫外線が一年の中で最も多く降り注ぐ春先、美肌を意識される方へも強い味方となってくれそうです。
リコピンは脂溶性なので油と一緒に取ると効果的。
加熱調理をしたり、スープやジュースのようにすりおろしたりミキサーにかけるなどトマトの細胞壁を壊して頂くと体内に吸収されやすくなります。
特に皮、皮近くに多く含まれているので皮ごと調理はオススメです。
可愛いミニトマトをパクッと頬張るだけでもうま味の余韻に浸れますが、軽くソテーしたミニトマトはトロンと果肉も緩んでまるで果物のよう。
春のミニトマトの贅沢な美味しさが味わえます。
■ミニトマトのソテー
ミニトマトの1/3量程を横半分に切ります。
多目のオリーブオイルで断面を下にして焼きます。
うま味成分のグルタミン酸はゼリー部分に多いので、数個を半分に切ることで美味しいソースを出すためです。断面に軽く焼き色がついたら、ミニトマトを加え、全体に油が回り皮が弾けたら完成🎶
お好みで塩少々。バケットを添えたり、ヨーグルトのトッピングに。またお魚やハンバーグ等一緒にどうぞ。
先日見せて頂きました「JA兵庫六甲こだわりり野菜の会の島中さん」のハウス内は、既に夏に向けてトマトの苗が綺麗に美しく並んでいました。夏のトマトも今から楽しみですね。
<プロフィール>
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。