◎4F
春が足踏みをしているような日が続いています。
桜の蕾の膨らみも少しゆっくりと。でも確実に春は近づいていて、春はもうすぐそこに…。
その足音を待ち望みながら、絵本と一緒にお花見しませんか。
『はじめまして』近藤薫美子 偕成社
今回は待望の重版がされたこちらの絵本
『はじめまして』
それはこんな始まり
はるです。さくらの はなが いちりん さきました。
はじめまして。
みつを もらいに ミツバチが やってきました。
(P1-3 本文引用)
桜の木に次々と花が咲きます。そして虫や鳥たちが集まります。
はじめまして!はじめまして!
同じ木に咲いても、一輪一輪違う顔、違う花。
やがて花は散り、小さな実が顔を出します。
そう。この青い実もまたはじめまして。
やがて冷たい風がふいて、色づいた葉っぱが地面に落ちる。
ぱさりぱさり。大地とのはじめましてがここにある。
この絵本を読んでいると、日々出会うものたち全てが「はじめまして」であふれていると気付かされます。
小さな虫たちの会話も楽しく、日々の営みの中、季節は進み、冬になりまた春がやってきます。
はじめまして。
繰り返される日々の中、その1日1日、一瞬一瞬が愛おしくなる。そんな一冊です。