◎1F
暦の上では秋ですが、まだまだ残暑厳しい毎日が続いています。
いちじくの季節が巡ってきました。
世界最古のフルーツとも言われるいちじくです。
日本に最も多く出回る品種の“桝井ドーフィン”は、初めて兵庫県の川西市で栽培されたと言われています。
兵庫県は全国的にはトップではありませんが、大阪に次いで生産量が4位を誇り、特に神戸市や川西市はいちじくの産地です。
六甲こだわり野菜の会のコーナーには、珍しい品種を目にする機会が多いのではないでしょうか。
生産者の島中さんが作られている“西洋いちじく”も並びはじめました。
小ぶりでほんのりと黄みがかったツヤのある白い皮が特徴のこのいちじくは、イタリア原産の白いちじく。
口にすると既にジャムのような甘味が感じられます。
昨年、このいちじくを白ワイン煮にすると良いと教えて頂き、色々試してみました。
できるだけ白いちじくが持つ自然な糖を活かした白ワイン蒸しがとても気に入りました。
蒸し上がりには、いちじくと蒸気から出る水分がシロップとなり、非常にクリアーな仕上がりになるのです。
冷たく冷やして頂きます。
白いちじくの白ワイン蒸し
いちじくに数か所竹串を刺し、耐熱皿に並べます。
全体に白ワイン大さじ3 レモン汁少々と、そしてアガベシロップまたははちみつ大さじ2をいちじくにかけ、蒸気の上がった蒸し器で40分程蒸します。
粗熱が取れたらシロップごと冷蔵庫冷やして完成です。
画像は小さな一口デザートとしてピオーネと合わせたものです。
密があふれ出しているものを口にすれば、甘さが凝縮されまるで和菓子の餡子のように感じられます。
この溢れる密を持ついちじくはシェフやパティシエの方たちにも愛されているようです。
凝縮された甘さはタルトや焼き菓子等にも最適です!
運よく手に入れることができたら、一度は丸かじり是非楽しんでみては。
ご家庭ではいちじくトーストやパイピザなど加熱すると更に凝縮した甘さを実感できることと思います。
果皮が薄いため、皮ごと頂けるのも魅力のひとつです。
いちじくに十字に切込みをいれ、割れないように開きます。
ピーナッツバター(またはねり胡麻)、豆乳(または出汁か水)、しょうゆ、砂糖を混ぜたクリームや、ギリシヤヨーグルトに塩を加えた和え衣を切込みの中にスプーンで落とし入れ、上から刻んだナッツをかけた丸ごといちじくの変わり和えは、いちじくの姿が活きた愛らしい一品です。
和え衣を工夫して、和洋中と様々な味わいを楽しむことができます。
いちじくには食物繊維のペクチンが豊富に含まれています。
整腸作用が期待され、また糖質などの吸収も穏やかにしててくれるので血糖値の急激な上昇をゆるやかにサポオートする効果も期待されています。
色や形にも魅力が溢れる潤いの果実、いちじく。
この秋を迎える前に、一足早くその味わいを楽しみませんか。
〈プロフィール〉
伊藤 由香 (いとう ゆか)
野菜ソムリエプロ
百貨店・野菜ソムリエ協会講師、レシピ提案等で活躍中。
長年西洋料理を学んだ後、野菜ソムリエに。旬の野菜を使った食のセミナーはもちろん、自身の子育て経験を生かしたレシピ提案など、親子でできる野菜・果物の特徴を活かしたメニューを得意とする。
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