『わたしや ほんとに うんがいい』(すずき出版)
せなけいこ/文・絵
にこにこばあちゃんの くちぐせは
「わたしゃ ほんとに うんが いい」
ある日、うちへ帰ろうと、道をてくてく歩いていたら、古いつぼが落ちていました。
穴でも空いているんだろうけれど、でもまあいいさ。お花を植えるのに使えるよ。
「わたしゃ ほんとに うんがいい」と、つぼの中をのぞくと金がいっぱい!
「ひゃあ!わたしや ほんとに うんが いい」とにこにこばあちゃん、金のいっぱい入った重い壺を、ショールでしばってひっぱっていくことに。
くたびれたにこにこばあちゃんはひとやすみ。ひょいっとふりかえってびっくり!
金のいっぱい入った壺は、なんと銀のかたまりに。
でも、まあいいさ。金貨より銀の方がずーっといいよ。とにこにこばあちゃん。
銀の塊はいつのまにか鉄になり、なんと石に!!
でもにこにこばあちゃんは、何が起きてもへっちゃら!
大好きな一冊。
生きているといろんなことが起こります。でもそれをどう捉えるか。
その捉え方ひとつで、人生は大きく変わる気がします。
にこにこばあちゃんのように「わたしゃ ほんとに うんがいい」と、どんなこともわらいとばして、よりよい側面を見ることができる人になりたいと、この絵本を読むといつも思います。
せなけいこさんのあたたかみもあるちぎり絵が、お話をやさしくつつみこみます。
たくさんの絵本を残してくれたせなけいこさん。これからもたくさんの子どもたちが
大好きな人の声に乗せて読まれるおばけたちに憧れ、共感し楽しんで行くことだと思います。
ご冥福をお祈りするとともに、これからも読み繋いでいこうと強く思っています。