VOL.2

2022.03.01

今回のメモを書いたのは 『クッキーの魅力』の催事担当バイヤー!

スペシャリティコンテンツ開発推進部
中野 彬子なかの あきこ

『クッキーの魅力』と「GOOD HARMONY COOKIE」とは

味や香り、食感、ルックス… いつも私たちの心を惹きつけるクッキーは、子どものおやつや大人のティータイムまで 私たちのお腹と心を満たしてくれる存在ですよね。 今年で5回目を迎える、各国各地のクッキーを集めた催事『クッキーの魅力』。その中で、「GOOD HARMONY COOKIE」というコーナーを新たに企画しました。 ここでは障がいを持つ方々が働く福祉事業所と、“人と社会が繋がり、調和となって幸せが生まれる”という想いを胸にしたシェフやパティシエが共に創り上げるクッキーをご紹介しています。今までの“福祉事業所が作るクッキー”の概念を覆し、お客様に「チャリティーとして」ではなく「美味しいから」買っていただく、そんなコーナーにしたいと思っています。

クッキーを食べる時間=幸せな時間に

阪急うめだ本店のクッキー催事の担当になってから、色々な取引先様と商品開発などに携わる機会が増えました。その中で「クッキーをほおばると無条件に誰しもが笑顔になっているなぁ。」とふと気づき、それと同時にこどもの頃、家族や友人たちと一緒に食べたクッキーを思い出しました。 こどもの頃、私の弟と妹は療育施設に通っていました。そのため彼らの友人には身体的・精神的な障がいを持つ子どもが多く、私はその友人たちとよく家で遊んだり、おやつを食べたりと一緒の時間を過ごすことが多かったように思います。 その中でも「クッキー」は、おやつに食べたり、みんなで作ったり…あたたかな思い出が溢れるお菓子だったな、と。 クッキーがある時間=幸せな時間であり、その幸せが消費者だけでなく、作り手、生産者へもつなげることが出来たら…。福祉事業所で作っているクッキーから“幸せの連鎖”を作ろうと考えて、今回「GOOD HARMONY COOKIE」を企画しました。

私にできること・・・

今回の企画を進めるなかで、大阪にある「ル・クロ」のシェフの取り組みについて知りました。「ル・クロ」では、障がいのある人も、そうでない人も一緒に働き、お客様にサービスを提供しています。 そんな「ル・クロ」のシェフとお話する中で、障がいのある方々に支払われるお給料がとても少なく、労働の対価と給料が見合っていない、ということを知りました。そして、障がいのある方の親御さんは、「自分がいなくなってしまったら、子どもはどうなるのか」と心配に思われている方が多いということも。 こうしたことに対して、何か自分にできることはないかと考えている時に「福祉事業所の製造物の売上を増やすことが、その方々の収入を増やすことに繋がる。だったらその商品を売る“場所”を提供して魅力をきちんと消費者に届けることが私にできることだ。」と気づきました。
「ル・クロ」のシェフ監修のフランス菓子の製法に基づいたレシピで障がいのあるスタッフが焼き上げたクッキー。

一人ひとりの得意分野を活かして

「GOOD HARMONY COOKIE」に出店している「batton.(バトン)」というブランドがあります。 これは、お米の焼き菓子専門店「パヴェアルチザン芦屋本店」の藤本シェフと3箇所の福祉事業所のスタッフの方々が立ち上げたブランドです。 ここでは、プロのシェフが作業効率にも配慮したレシピを開発しています。そして、そのレシピをもとに、各人が得意とする作業を担当し、クッキーを作っています。 今回登場するクッキーはしっとり食べ応えのあるチャンククッキーと、ホロホロ食感がたまらないブールドネージュ。 どちらも米粉の良さが引き立つ、グルテンフリーなクッキーです。

「美味しい」がつなげる新しい幸せ

今回の「GOOD HARMONY COOKIE」のように、今まで私が催事企画という仕事を通して培ったノウハウを福祉と繋げ、障がい者を取り巻く労働問題を改善し、Goodな循環へと変えられるような働きがけをしていきたい、そんな風に思っています。

PROFILE
 
中野彬子

2006年入社。博多阪急での宣伝広報などを経て、現在、阪急うめだ本店『クッキーの魅力』などの催事企画を担当している。二人の子どもの育児にも日々奮闘中。

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